資格試験の世界では、「試験は対話」、だなどと言われることがあります。
「問題を作った側」と「受験生」とが本試験会場で密かに交わされる会話だなって感じることが実際にあるので、たぶんこれは事実。
あなたがもし、資格試験を作る側だったらどうしますか?
簡単に解けるような問題なんて作りたくないですよね。
「今年の問題作ったやつアホちゃう、あんなん誰でも解けるじゃん」
と、思われて、かつ、正答率もそれなりに高かったりしたら面目丸つぶれです。
そうかといって、難解過ぎて誰も手出し出来ないような問題を出したとしたら、受験予備校の講師から「世紀の悪問」だなんて言われてしまうでしょう。
微妙なバランスの上に成り立っているのです、試験の作問って。
行政書士試験の受験者だったら誰もが恐れるのが足切り。
一般知識分野で足切りにならないためには、どうしても落としたくないのが「文章理解」の3問です。
当然ですが、作問する側も、この3問を全受験生が狙ってきてるのは分かっています。
もう、試験は対話、なんて言ってられんのです。
試験は戦いです。
作問する側の勝利条件は、二つ。
1.全問正解させなかった。
2.全問正解させたけど、時間を稼いだ。
受験者側の勝利条件も、二つ。
1.全問正解した。
2.一問落としたけど、時間のロスは最小限だった。
つまり、全問正解なんてさせたくないし、全問正解されてしまっても時間を想像以上に取らせてやろうと思っているのです、たぶんですね。
という前提に立った時、作問する側が取る作戦は、実は二つしかありません。
1.難解な言葉を使って煙に巻く。
2.正解肢までのルートを複雑にする。
ルートを複雑にするにはいくつかの方法があって、最も簡単なのがコレです。
指示語
「こそあど言葉」ってありますでしょ。
「コレ」・「それ」・「アレ」・「どれ」とかっていうの。
これを多用すると、本試験会場で受験生を荒れ狂う海に放り出すのは簡単です。
いいですか、正解は導き出せたけど、時間がかかった←これって受験生の負けですよ。
指示語の海をかいくぐって正解のロープをつかみとるにはちょっとしたコツがあれば大丈夫なんです。
指示語の対応関係を分かったつもりでボンヤリと読んでいては絶対ダメです。
コレに対応する言葉は何を指しているのか。
ソレって言うのは、文脈上何なのか。
感覚値ですが、これを明らかにしていかないと解くまでの時間が三倍ぐらいかかってしまいます。
自分の場合は、
「コレ」、「ソレ」などに対応することばに必ず鉛筆で矢印を引っ張って、解答中に迷子にならないようにしていました。
受験予備校の先生も言うじゃないですか。
「足切りを防ぐためにはどうしたらいいんですか?助けてください!先生」
って受験生が質問に来た時に。
ホントはこう言ってあげたいはずなんです。
本を読め!
行政書士試験の文章理解を解くには、特別な解法なんて実は必要ありません、普段から読書をしている人にとっては。
自分の場合で言えば。
一般知識分野の問題なんて何ひとつ勉強するのが嫌でした。
なぜかというと、自分の知識にならないから。
法律分野は学習すればするだけ、自分のチカラとなる。
対象範囲が広すぎる一般知識分野を勉強するのは恐ろしくムダに思えた、自分はね。
だから絶対勉強しないって決めた。
でも、最低限の足切りだけは取らなきゃってことで個人情報分野だけは勉強しました、文章理解の3問は取れる前提で。
文章理解を解くコツというか、心構えとしてはリラックスすることが大切です。
本試験中に「分かんない、分かんない、時間ない、もうダメ」って思っちゃうのだけは避けたい。
今年の文章理解はマジ無理って思ったら、深追いしないことも戦略の一つです。
最終的にはマークをしなきゃだめなんですが、一旦文章理解から離れて知識問題に移動する。
ちょっとリフレッシュしたところで、また文章理解に戻る。
当日、現場でそういった判断をするためにも、落ち着きが必要。
最後に。
本試験を受けられる人のために。
最後まで諦めない人が合格をつかむっていいますよね。
あれ事実です。
落ち着いて、冷静に、そして先のことは考えない。
頑張ってください!