小規模事業者持続化補助金は、文字どおり「小規模」な事業者を資金面から支援する制度です。
そのため、従業員規模によって申請できる事業者の制限がかけられていますよね。
多くの事業者が商業・サービス業に分類されると思われますが、その場合には従業員が5名まで。
「常時使用する従業員」の解釈にも一つの論点がありますが、ここでは触れないことにしますと、「業種」によって従業員の上限があることがわかります。
明確に判断できる場合であれば問題ないのですが、以下の場合にはどうでしょうか?
調理技能を用いて生産した料理をその場で提供するのみ
また、
調理技能を用いて流通性のある弁当、総菜、お土産を作っている
前者の場合には、「商業・サービス業」、後者は「製造業その他」に分類されます。
飲食関連の事業ではありますが、ある「要素」にって業種が変わります。
次の事例は「本屋」さんです。
出版社・取次から仕入れた書籍をそのまま販売するのみ
自社の知覚とノウハウをもとに、小説と小説内に登場する料理を提供する飲食店を掲載した案内雑誌を 「文字と舌で楽しみたいグルメセット」等として販売している
前者が「商業・サービス業」、後者が「製造業その他」に分類されます。
自社の事業が、「商業・サービス業」に分類されるか、「製造業その他」に分類されるかによって、常時使用する従業員の人数の上限が変わってきますので、申請できるできないの判断も変わってくる事業者も多いと思われます。
公募要領に付随する「参考資料」によれば、
<商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)> 「他者から仕入れた商品を販売する(=他者が生産したモノに付加価値をつけることなく、そのまま販売す る)事業」、「在庫性・代替性のない価値(=個人の技能をその場で提供する等の流通性がない価値)を提 供する事業」のことを言います。自身で生産、捕獲・採取した農水産物を販売するのは「商業・サービス業」 ではなく「製造業その他」に分類されます。
この、
他者が生産したモノに付加価値をつけることなく
という点が業種を判断するポイントの一つ。
さらに、次の点も注意したいですね。
なお、「商業・サービス業」、「宿泊業・娯楽業」、「製造業」の定義に当てはめることが難しい事業(建設業、 運送業等)や、区分が異なる複数の事業を営んでいるなど判断が難しい場合は、「その他」として、「製造 業その他」の従業員基準を用います。
区分が異なる複数事業を営んでいるケースは少なくないでしょう。
その場合には、「製造業その他」の業種の従業員基準を用いるとのこと。
以上、見てきたように、従業員規模の関係で申請を諦めていた事業者でも、もしかしたら「業種」が異なれば申請できる可能性があります。
疑問点や不明点がある事業者の場合には、地域の商工会議所や商工会に確認してみると間違いがないでしょう。
弊所のYouTubeチャンネルでも説明しています。
ご興味ある方はぜひご覧ください。
行政書士阿部隆昭