「一般型って自由に設備を選べるから、申請しやすいんですよね?」──このように言われることがありますが、それは半分正解で半分誤解です。
実は、「自由に選べる=審査される視点がより厳密になる」という側面があり、補助金初心者の方が気軽に申請してしまうと、意外と不採択になりやすいのがこの“一般型”の特徴です。
この記事では、省力化補助金〈一般型〉がなぜ難しいとされるのか、その背景にある制度設計や審査の視点を、カタログ型と比較しながら読み解いていきます。

一般型とカタログ型の違いとは?
まず前提として、省力化補助金には「一般型」と「カタログ型」の2種類があります。
- カタログ型: 事務局が定めたカタログに掲載された設備を選択する方式です。設備の効果(省力化の有無)やスペックはあらかじめ評価済みなので、申請者は「選んで導入する」だけでよく、審査上のハードルは比較的低めです。
- 一般型: カタログ外の設備でも、自社に必要な設備を自由に提案できる方式です。しかし、その分「なぜこの設備が必要なのか」「どう省力化に寄与するのか」を、自社の業務プロセスと合わせて一から説明する必要があります。
自由=構想力と論理力が問われる
一般型の申請では、次のような説明が求められます。
- 現在の業務フローにおける課題(人手・時間・正確性など)
- その課題に対して導入する設備の機能や特徴
- 導入後、どの業務がどう短縮され、どのような効果があるか
つまり、単に「高機能な設備を買いたい」という話ではなく、「なぜこの設備が、いま、この業務に必要なのか?」という**事業戦略の中での“意味づけ”**が重要になるのです。
制度設計から見る「一般型」の難しさ
公募要領にもある通り、一般型は「中小企業の現場に即した、自由な設備投資提案を促す」ことを目的としています。
その分、以下のような競争性が強まります。
- 省力化効果が不明確な提案は通りにくい
- 賃上げ計画が実現可能でないと加点も得られない
- 同一内容の他社申請と比較され、採択順位がつく
特に一般型では、定量的な省力化(作業時間短縮や人員削減)を**「説明しきる力」**が、最大の審査基準になります。
こんな人にこそ、一般型が合っている
では、一般型の難易度が高いならカタログ型にすべきかというと、そうとも限りません。一般型は、次のような事業者に向いています。
- カタログにないが自社に最適な設備を検討している
- 独自性のあるビジネスモデルに即した省力化が必要
- 一般型でしか採択されない**金額帯(例:2,000万円以上)**を狙いたい
また、「他社との差別化」「戦略的な業務改善」「加点項目を確実に押さえられる体制」があれば、一般型の方がむしろ有利に働くこともあります。
まとめ
一般型は、“自由度”というより“構想力と論理性”が求められる制度です。
採択されるためには、
- 導入設備の「意味づけ」
- 数値での省力化根拠
- 賃上げや再投資との因果関係
などを、論理的に整理し、書面で伝えるスキルが不可欠です。
次回は、審査の中でも特に重視される「省力化の根拠」をどう構成するか──導入効果の書き方について深掘りしていきます。
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行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭