
【ものづくり補助金】システム構築なのに「実施場所」?と迷った人のためのやさしいガイド
ものづくり補助金で「システム構築だけ」を考えている事業者さんから、よくこんな質問を受けます。
「クラウドシステムなのに、『補助事業の実施場所』ってどこを書けばいいんですか?」
機械設備なら工場や店舗がすぐに思い浮かびますが、システムは“場所”が見えにくい分だけ迷いやすいテーマです。
このページでは、公募要領と公式FAQの内容を、現場のことばに置き換えながら丁寧に整理していきます。
1.なぜ、システムでも「実施場所」が問われるのか?
まず押さえたいのは、ものづくり補助金は「事業所」を単位として支援する制度だということです。
補助金は、単なるITツール購入費ではなく、
- どの事業所で
- どんな設備・システムを使って
- どのような付加価値を生み出すのか
といった「場」とセットで支援されます。
そのため公募要領では、
- 日本国内に本社または補助事業の実施場所があること
- その場所で、従業員が継続的に働いていること
といった条件が定められています。
システム構築であっても、「そのシステムを中心に仕事が動く現場はどこか?」を示す必要がある、というイメージです。
2.公募要領が言う「補助事業の実施場所」をやさしく説明
- 補助対象の機械・システムを設置・管理している場所であること
- 工場や店舗のように、継続的に作業が行われている場所であること
- 自社所有でなくても、賃貸契約などで使用権が明確であること
つまり、単なる「登記上の住所」ではなく、
日々の仕事が行われ、補助対象のシステムがそこで使われている場所が「補助事業の実施場所」です。
ここまでは、機械設備でもシステムでも共通の考え方です。
3.FAQが示す「システム構築だけ」の特別ルール
事務局が公開している よくある質問(FAQ) では、こんな質問が取り上げられています。
「主たる事業の実施場所」はどこに定めればよいですか?
FAQの答えをかみ砕くと、次の4つを満たす場所を「主たる事業の実施場所」として申請してください、という趣旨になります。
- 導入するシステムを使って、日常的な業務が行われる場所であること
例:生産管理システムなら工場、販売管理システムなら本社事務所 など。 - 従業員が継続的に勤務している事業所であること
名義だけの住所や、物置きとしてしか使っていない倉庫はNGです。 - 補助事業の完了後も、一定期間そのシステムを使い続ける場所であること
「導入だけして、実際は別の場所で使う」という計画は認められません。 - バーチャルオフィスなど、実体のない拠点ではないこと
FAQでも、バーチャルオフィス等は実施場所として認めないと明記されています。
「人がいて、仕事があって、システムが動いている場所」を、主たる実施場所として登録してください、ということです。
4.システム構築で迷いやすいケースと考え方
4-1.開発はベンダーのオフィス。実施場所はどこ?
よくあるパターンが、
- システム開発そのものはベンダーのオフィスで実施
- 自社はオンラインで要件定義やテストに参加
というケースです。
この場合でも、補助事業の実施場所として書くのは「自社の事業所」です。
補助金の目的は、ベンダーの開発環境に投資することではなく、
あなたの会社の現場で生産性を高めることだからです。
したがって、
- 開発場所 … ベンダー側のオフィス
- 実施場所 … 自社でシステムを実際に運用する事業所
と整理しておくと、申請書の記載もすっきりします。
4-2.クラウド型システムだから、場所は関係ない?
クラウドサービスの場合、
「データセンターがある場所を書くのか?」と迷う方もいますが、そうではありません。
実施場所として書くのは、そのクラウドシステムを使って従業員が働く自社の拠点です。
- 本社のバックオフィスで使う経理システム → 実施場所は「本社」
- 各店舗スタッフが使うモバイルオーダーシステム → 主たる店舗を「実施場所」に
「クラウドだから場所フリー」と考えてしまうと、公募要領の趣旨から外れてしまいます。
4-3.倉庫兼オフィスやシェアオフィスなど、グレーに見える場合
最近は、次のような拠点形態も増えています。
- 倉庫の一角を事務所として使っている
- シェアオフィス・コワーキングスペースを利用している
こうした場所でも、次の条件を満たしていれば、実施場所として認められる余地があります。
- その場所で補助事業に関わる業務が継続的に行われている
- 賃貸契約などで、自社の使用権が明確である
一方で、 郵便物の受け取りだけの住所や、名刺に載せるためだけのバーチャルオフィスは、実施場所として認められないとされています。
5.「実施場所」を甘く見ると、どんなリスクがあるのか?
実施場所の記載は、単なる事務作業ではありません。あいまいなまま申請・実行すると、次のようなリスクが生じます。
- 確定検査の際、「実態が公募要領の要件を満たしていない」と判断される
- 事業化状況報告で、最低賃金や従業員数の報告がねじれ、説明に追われる
- 場合によっては「実施場所として不適切」とみなされ、補助金の一部返還を求められる
だからこそ、「どの場所で、このシステムを、誰のどんな仕事に使うのか」を、計画段階から具体的に描いておくことが重要です。
6.LDAM流:システムと「場」をセットで設計する
行政書士阿部総合事務所の 補助金ドクター診断(powered by LDAM) では、単に 「このシステムは補助対象です」と線を引くだけではなく、
- どの事業所で
- どんな業務フローの中で
- どのような付加価値を生み出していくのか
まで含めて、“システム × 場づくり”の設計から一緒に考えていきます。
システム単体では価値は生まれません。
人がいて、仕事があり、場が整ってはじめて「投資」が「成果」に変わるからです。
7.まとめ:システム構築こそ、「実施場所」を言語化しておこう
- 「補助事業の実施場所」とは、日々の仕事が行われ、システムが使われる事業所のこと
- システム構築の場合でも、開発場所ではなく、自社で運用する拠点を書く
- バーチャルオフィスや名義だけの住所はNG。従業員が継続的に働き、使用権が明確な場所であることが必要
- 実施場所の設計は、確定検査や事業化状況報告でのトラブル、さらには返還リスクにも直結する
システムの仕様や費用に目が行きがちなときこそ、一度立ち止まって、
という問いを言語化してみてください。
そのプロセス自体が、申請書の説得力を高め、補助事業後の経営を強くすることにつながります。
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