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何が変わった?!第19次「ものづくり補助金」2025年と2024年の比較|行政書士阿部総合事務所

March 19, 2025
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2025年ものづくり補助金の特徴と申請ポイント

2025年のものづくり補助金では、制度の見直しや新たな要件の追加が行われました。これにより、中小企業や小規模事業者が効果的に補助金を活用できるようになっています。以下、各項目ごとに詳しく解説します。

1. 申請枠の変更

2025年(第19次公募)

ものづくり補助金の申請枠は、「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つに統合されました。

  • 製品・サービス高付加価値化枠
    • 対象:革新的な設備投資や新製品開発を支援する枠です。
    • 例:複合加工機の導入による精密加工技術の向上。
    • 補助上限額:従業員数に応じて 750万円~3,500万円。
  • グローバル枠
    • 対象:海外展開に向けた設備投資や展示会出展などを対象とする枠です。
    • 例:海外市場向けの製造機械の導入や海外展示会でのプロモーション活動。
    • 補助上限額:3,000万円(特例で最大4,000万円)。

2024年(第17次・18次公募)

過去には「省力化(オーダーメイド)枠」「製品・サービス枠」「グローバル枠」の3枠が存在しましたが、2025年には統合されました。

  • 省力化枠:生産性向上のためのITツール導入などが対象でしたが、高付加価値化枠に統合され廃止。

背景:企業の投資ニーズを「国内の付加価値向上」と「海外展開」の二つの系統に整理することで、申請者が自社の事業内容に合った補助金を選びやすくする狙いがあります。特に、国内向けの製品開発やサービスの高付加価値化を目指す企業と、海外市場への進出を目指す企業のニーズを明確に分けることで、申請者の選択を簡潔かつ効率的にすることを目指しています。さらに、補助金の申請枠をシンプルにすることで、これまで複数の枠にまたがっていた申請内容を一本化しやすくし、企業の投資計画と補助金制度をマッチングさせやすくする効果も期待されています。


2. 補助上限額の拡充

2025年

  • 製品・サービス枠:上限2,500万円(大幅賃上げ特例で最大3,500万円)。
  • グローバル枠:上限3,000万円(大幅賃上げ特例で最大4,000万円)。
  • 従業員数に応じた細分化:5人以下は750万円、51人以上は3,500万円。

2024年

  • 上限1億円(省力化枠は5,000万円)。

変更の意図:今回の変更は、企業の規模に合わせた柔軟な支援を実現することを目指しています。特に、従業員数に応じて補助上限額を細分化することで、規模の小さい企業も十分な補助を受けられるように配慮されています。また、賃上げを実施する企業に対しては、通常の補助上限に加えて特例措置を適用することで、積極的な賃上げを促進し、従業員の労働環境改善を後押しする意図が含まれています。これは政府の政策目標とも連動しており、中小企業が賃上げに取り組みやすくすることで、日本経済全体の活性化を目指す取り組みの一環です。


3. 補助率の調整

2025年

  • 中小企業:補助率 1/2。
  • 小規模事業者・再生事業者:補助率 2/3。
  • 最低賃金引上げ特例:賃上げ実施企業には補助率を+10%上乗せ。

2024年

  • 通常:1/2。
  • 小規模・再生事業者:2/3。
  • 成長分野進出類型:2/3。

狙い:賃上げを促進し、労働環境の改善を支援することを目的としています。


4. 収益納付の廃止

2025年

  • 補助金事業で得た利益の一部を返還する「収益納付」が廃止されました。

背景:収益納付制度の廃止は、企業の資金繰りに対する負担を大幅に軽減することを目的としています。これまでの制度では、補助金を利用した事業で得た利益の一部を返還する必要があり、特に資金力に乏しい中小企業やスタートアップにとって大きな負担となっていました。収益納付が廃止されることで、企業は利益を全額自社の成長に再投資できるようになり、補助金の活用意欲を高める効果が期待されます。また、この変更により、事業計画を柔軟に見直しながら運営できるため、リスクを抑えつつ新たな取り組みに挑戦しやすくなるというメリットもあります。

2024年

  • 収益納付が必要(一部例外あり)。

5. 公募回数の増加

2025年

  • 年4回公募(予定)。

2024年

  • 年2回(第17次・18次公募)。

効果:公募回数の増加は、企業が自社の事業計画や投資計画に応じて柔軟に申請できる環境を整えるための取り組みです。特に中小企業にとって、投資のタイミングは経営状況や市場環境に左右されやすいため、公募機会の多さは大きな利点となります。年に4回の公募により、企業は計画を見直しやすくなり、適切な時期に補助金を申請することが可能になります。さらに、申請チャンスが増えることで、不採択となった場合でも再挑戦の機会が確保される点も重要です。この制度設計は、企業の意欲を引き出し、より積極的な投資行動を促す効果を期待しています。


6. 特記事項の変更

2025年の新要件

  • 賃上げ要件の強化:従業員21人以上の企業は「次世代法に基づく行動計画」の公表が必須。
  • みなし大企業の定義厳格化:大企業の出資比率が30%以上かつ発言権が強い場合は対象外。

2024年の特徴

  • 省力化枠の新設。
  • 口頭審査の導入(書面審査との併用)。

総括と企業へのアドバイス

2025年のものづくり補助金は、「賃上げ促進」と「海外展開支援」に大きな重点が置かれています。特に、グローバル枠の補助上限が最大4,000万円と大幅に拡充されている点は、海外市場を目指す企業にとって大きなメリットです。

ただし、グローバル展開を検討していない事業者にとっては、申請枠の選択肢が限定されることも課題となり得ます。

申請のポイント

  • 自社の事業規模や経営方針に合った補助金を選定する。
  • 補助上限の上乗せを狙った賃上げ特例の利用には慎重に。
  • 制度変更を踏まえた上で、自社の投資計画に合致する枠を選ぶことが成功のカギです。

総括と企業へのアドバイス

令和6年度補正予算、2025年のものづくり補助金は、「賃上げ促進」と「海外展開支援」に重点を置いていることがわかります。特に、グローバル枠の上限拡充(最大4,000万円)は、海外需要を狙う企業には追い風です。とはいえ、グローバル展開などは考えていないという事業者も多いかと。そのケースでは申請類型が一つしか選ぶことができないのが、選択肢を狭めているとも言えるでしょう。


申請のポイント

  1. ものづくり補助金だけではなく、自社の事業規模(従業員数、売上高等)規模に見合った補助金も検討。
  2. 補助上限の上乗せだけを狙って、賃上げ特例を利用するのは要注意。

制度変更を踏まえ、自社の投資計画とマッチする枠を選定することが成功のカギです。