創業当時に入居していたインキュベーション施設時代の経営者仲間と久しぶりにお会いしてきまして。
SNSでは繋がっているのですが、私自身そのSNSからは遠ざかっているので近況も聞けて大変楽しい時間となりました。
テック系企業なので、ものづくり補助金等でお役に立てるかなと思っての訪問だったですが、ニッチな業界でもあり、状況的に出口まで組み立てるのが難しいという印象です。
なんでも、その企業自体がすこし前にものづくり補助金に採択され、補助事業に取り組んだ経験があるとのこと。
機械装置の導入、というものづくり補助金の王道パターンではありますが、1/2とか2/3などの割合で補助されるので、確実に会社のキャッシュは投下することになります。
ですので、いくら補助金が”もらえる”からといって、業績向上に繋がらない取り組みをしても意味がありません。
さらに、今回お話ししていて、なるほどなあ、と思ったことがありました。
それは、「補助金を使った新しい事業に人材のリソースを取られ、既存業務に影響が出てしまうリスクがある」、ということ。
補助事業はたいていの場合、当社にとって新しい取り組みであるだけにその分野が軌道に乗るまでの時間、売上を立てるまでの時間、といったことまで考えておく必要があります。
ギリギリの人材で事業運営している場合には、既に安定した売上を生み出している部門の人材が、新規事業の部門に配属されると少なからず影響はありますよね。
金銭的に見積もることは難しいかもしれませんが、総合的に考えれば、”補助金の採択そのものは当社にとって意味がなかった”、となるかもしれません。
補助金の採択は、個社の状況によっては会社のキャッシュ以外に失うものがあるかもしれない、といったことは覚えておいたほうがよさそうですね。
行政書士阿部隆昭