補助金を活用するうえで、必ず確認しなければいけないのが、二つの事業スケジュール。
それが、
補助金を活用したい事業のスケジュール。
補助金そのものの事業スケジュール。
前者は当社が決めるもので、後者は補助金事務局が決めるもの、といった違いがあります。
例えば、当社事業として補助金を活用した新規事業Aを検討しているとしましょう。
ビジネスプランの作り込みの過程で、第三者の事業者にコンサルを依頼したり、マーケティング調査をしたり、開発を実行したり、といった事業の性質に合わせて様々な段階がありますよね。
その事業の実施スケジュールが、補助金そのものの実施スケジュールと適合することが補助金活用の条件です。
こちらは「ものづくり補助金」の実施スケジュール。
一番下の18次ですと、応募が締め切られて審査がスタートするのが3/27、採択公表が6月下旬。さらにそこから交付申請という手続きをへて、ようやく事業が実施できることになります。
補助金申請応募の期間も考えると、ほぼ半年は、当社の新規事業のスタートが遅れる、とも言い換えられます。
よく、”補助金ありきの事業”などと言われることもありますが、”補助金が貰えるならやる”といったケースでは、当社事業のスタートは補助金が採択され次第ということになります。
ですが、そうではない場合。
補助金が採択されればその資金で事業をするけれども、仮に採択されなければ自己資金や融資などで事業を行う場合にはどうでしょうか?
補助金どうこうではなく、どうせ事業はやる。やらなければならないとした場合には、補助金の補助事業実施期間がスタートするまで待つことが悪手となる可能性があります。
早く事業をスタートしていれば、ターゲット顧客の周知に成功し、市場を丸ごと取れた。
補助金の採択を待っている間に、競合サービスがリリースされた。
といったように、当社新規事業にとって脅威となる事象に見舞われるかもしれません。
ここまで見てきたように、補助金を活用した事業を検討する場合には、当社事業と補助金そのもの事業の二つのスケジュール管理が必須となるのです。
行政書士阿部隆昭