ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金などの補助金申請で、申請書作成を専門家に丸投げしても誰も幸せにならない。
当然の事実なのだけど、それを実しやかに信じている事業者もいるし、「補助金申請なんて専門家に丸投げすればいい」と事業者に囁く専門家もいる事実。
丸投げした事業者の不幸
そもそも補助金申請書の内容を把握していないので、実績報告書の作成に困り、ひどい場合には申請書通りの補助金を受給できない可能性もある。
丸投げしない事業者にとっては、不採択の場合でも、ビジネスモデルのブラッシュアップなどの効果はあるが、丸投げした事業者には何一つ得るものがない。
丸投げされた専門家の不幸
不採択の場合には、全面的に専門家の責任とされる。たとえ、責任は問いません、と契約になっていても。
丸投げなのだから、事業者は関与していないわけで、そのような心象を抱くのは当然でしょう。
専門家としては、丸投げされても不採択になると事前にアナウンスしていても、そう言われることになる。
そして、不本意ながらその評判は悪いものとして伝わることも考えらえる。
「あの専門家に依頼したら補助金が不採択になって」、と。
そもそも申請書を作ることが出来ない。
五カ年計画などは事業者でなければ数字を入れることが出来ない。
丸投げされても、本来的には、丸っと受けてはいけない性質のものなのである。
結論。
丸投げは一見楽に思えるが、真摯に事業を運営しようと考えるなら、補助金申請の丸投げは止めるべき。
採択の場合でも、不採択の場合でも、どちらにしろ生産的ではない。
行政書士阿部隆昭