––LDAM(LinkDrive by Abe Method)がめざす“構造を読み解く知見”と“震源に触れる問い”を、身体変革の軌跡から紐解くノート
0 プロローグ──数字は“物語”に変わる
- 2020/3/16 体重84.3 kg/体脂肪率25.9 %/内臓脂肪レベル16
- 2020/8/23 体重67.9 kg/体脂肪率16.9 %/内臓脂肪レベル10
- 2025/5/30 体重63.55 kg/体脂肪率14.2 %/内臓脂肪レベル8
この三つの測定値は、ただの数字ではない。
5年間にわたり**「余分を削ぎ、核を鍛え、リスクを可視化して下げる」**という一貫した行動の“物語”そのものだ。
そしてこの物語は、個人の身体に留まらず──組織体制を整え、経営を再設計する際のモデルケースにもなる。
1 フェーズ①:MAX期──変わらなければ“危機が続く”



2020/3/16 84.3 kg
- BMI27.2、体脂肪率25.9 %
- 内臓脂肪レベル16(肥満域)
- 骨格筋量32.9 kg(体重に対し筋肉率70 %)
身体に芽生えた、危機という名の震源
骨格筋は比較的多いが、脂肪が過剰──
これは、基礎となる構造物は悪くないにもかかわらず、それを覆う過剰な負荷が全体のパフォーマンスを下げている状態に等しい。たとえるなら、性能の高いエンジンを積んだマシンに、必要以上の重量物や装飾を載せてしまい、結果として燃費は悪くなり、スピードも出ず、制動距離も伸びてしまうようなものだ。
つまり、「持っているポテンシャルはあるのに、それを発揮できない」構造的ミスマッチが起きていた。筋肉という資本は確かにあったが、それを生かすための“設計の合理性”が欠けていた。効率性・機動性・安全性──あらゆる観点で、過剰な脂肪という「ノイズ」が、せっかくの土台を曇らせていた。
この状態に対して、当時芽生えたのは、単なる不満や願望ではなかった。もっと根源的で、深層的な「危機意識」だった。
──このままでいけば、健康診断の数値はもちろん、体力、集中力、自信、見た目──すべてがジワジワと崩れていくだろう。
そんな未来予測の中で揺れ動いたのは、他人からどう見られるかという視線ではなく、
「このままでは、自分自身が自分を信用できなくなるかもしれない」
という、きわめて内発的な焦りだった。
それは“恐れ”からの動機ではあるけれど、他責ではなく自己起点。
自己否定ではなく、自己保全のためのきわめて自然で、誠実な反応だった。
「変わらなければ、今の自分は続かない」──
この直感こそが、のちに始まるすべての行動の震源となったのである。
経営に引き寄せて読み直すなら
この話を、身体にとどめず経営に引き寄せるなら──
それは、資源(人材・資金・設備)はあるのに、
それが“重さ”として機能してしまっている状態と酷似している。
過剰な在庫、冗長な手続き、過去の成功体験という名のしがらみ。
それらはすべて「本来の力を曇らせる脂肪」と同じ役割を果たしてしまう。
つまり、経営においてもまた「優秀なエンジンを巨大な車体に積んだ状態」が起こりうる。
そして大切なのは、そこに芽生える“危機意識”が、他人からの評価や競争意識ではなく、
「このままの組織では、自分たちの未来を引き受けきれない」
という、内発的で誠実な焦りであること。
その震源に立ち返ったとき、経営は「構造」から変わる。
筋肉を活かすために脂肪を削ぎ落とすように、
理念とリソースを一致させるために、経営もまた“外形”を整える必要があるのだ。
2 フェーズ②:移行期──量を削ってフォームを整える

2020/8/23 67.9 kg
- 体重▲16.4 kg/体脂肪▲10.3 kg/筋肉▲5.9 kg
- 体脂肪率16.9 %
- 内臓脂肪レベル10(ギリ標準)
応急処置としての「減量フェーズ」
わずか5か月という短期間で、体重は大きく減少した。
脂肪だけでなく筋肉も落ちたが、それでもこの時期は「とにかく軽くすること」に集中していた。
──それは、明確な危機意識のもと、まず“重さ”を削ぎ落とすという応急処置としての選択だった。
ここでは、何を感じたかよりも「どう動くか」が前面に出ていた。
PFCバランスの徹底管理、有酸素運動の比重増、高重量トレーニングの組み合わせ──
方法論としては理にかなっており、成果も出た。だが、その動機はまだ「震源からの内発」ではなく、
どちらかといえば「危機への反応」に近かった。
“行動 > 理由”──つまり、意志よりも手段が主導していたフェーズだったといえる。
この構造を経営に置き換えるなら、業績不振に陥った企業が突如としてリストラや経費削減を断行し、
短期的に黒字転換するような状態に似ている。
目的は「生き延びること」であり、それはある種の正解だった。
しかし、同時にそれは「強み」や「成長力」までも削ってしまうリスクを孕んでいた。
要するに、成功ではある。だが、それは“次”に向かうための「通過点」であり、
未来を描くには、まだ“震源”に立ち返る必要があった。
3 フェーズ③:現在──質を高め、軽く強く


2025/5/30 63.55 kg
- 体重▲4.35 kg/体脂肪▲2.5 kg/筋肉▲2.4 kg
- 骨格筋率45.9 %、筋肉率80.2 %
- 内臓脂肪レベル8(リスク低)
身体の「質的改善」と、動機の変化
このフェーズで、数値としてもっとも注目すべきは、「筋率が10ポイント増加」しながら、「体脂肪率が2.7ポイント低下」している点だった。
つまり、単に体重を落とすことではなく、「身体の構成そのものを入れ替える」方向に進んだということだ。
これは、たとえるなら──同じ重さの機体でありながら、
出力が高く、反応がよく、燃費もよい“高性能モデル”へと生まれ変わったような状態。
かつては“とにかく削る”ことで緊急回避していたが、今は“磨き上げる”ことで前へ進もうとしている。
そして、ここで起きた最も重要な変化は、身体そのもの以上に、行動の“震源”が変わったことだった。
以前は「このままでは危ない」という焦り──つまり、“恐れ”が出発点だった。
だが今は、「この身体を、ちゃんと大切に扱いたい」「この器に、自分をちゃんと住まわせたい」
そんな思いが自然と湧き上がってきた。
それは、自分に対する信頼や愛着が芽生えた証拠でもある。
誰かの期待に応えようとするのではなく、数字の達成に酔うのでもなく、
「自分自身と健やかに付き合っていきたい」という、“愛からの動機”への転換が起きたのだ。
この変化は、経営でいえば──「危機的状況の回避」から「ブランドとしての本質的な強みの再構築」へのシフトに近い。
赤字からの脱却ではなく、その先にある価値創造のステージに入ったことを意味している。
4 数字の裏にあるメカニズム──量→配分→質
フェーズ | 体重変化 | 体脂肪率 | 筋率 | 内臓脂肪 | メンタル震源 |
---|---|---|---|---|---|
①2020/3 | 基準点 | 25.9 % | 70 % | 16 | 危機(恐れ) |
②2020/8 | ▼16 kg | 16.9 % | ー | 10 | 行動優先 |
③2025/5 | ▼4 kg | 14.2 % | 80 % | 8 | 育成(愛) |
- ①→②:量を削る…余剰コスト削減/リスク回避フェーズ
- ②→③:質を高める…筋率↑=コア事業比率↑/脂肪↓=ムダ工程↓
- 代謝低下に対しNEAT強化=固定費圧縮後もイノベーション投資で活力維持
5 経営への写像──LDAMが整える「軽く強い組織」
身体シフト | 経営シフト |
---|---|
脂肪削減 | ムダ資源・不採算事業の整理 |
骨格筋率UP | 強み事業・中核人材への集中 |
内臓脂肪↓ | 潜在リスク(法務・財務・人依存)の顕在化→対策 |
低代謝対策 | ※ 固定費削減後もR&D/DXで活力維持 |
LDAMは「震源と構造を結ぶ装置」である
LDAM/“LinkDrive by Abe Method”は、単なる補助金の申請支援や事業計画の代行ツールではない。
それは、経営の筋肉を鍛えるための「筋トレ器具」ではなく、“なぜこの事業をやるのか”という内発的な震源と、“どう組織を組むのか”という外的な構造を結ぶ、連結装置=リンクドライブである。
LDAMが扱うのは、二つの領域だ。
- 震源=なぜその事業をやるのか、という存在的動機
- 構造=資金・制度・組織という経営の骨格デザイン
この二つは、本来つながっているべきものだ。だが現実には、目の前の制度や数字に引きずられて、震源を置き去りにした「補助金ありき」の構想や、「とりあえずの資金調達」だけで進む経営が少なくない。
LDAMはそこに、逆の流れをつくる。
まず震源に深く触れ、その振動数をもとに、構造を設計し直す。
“内側の熱源”と“外側の仕組み”が共振する設計──これがLDAMの本質だ。
それはまさに、**「軽く、強く、しなやかに、走り続けられる組織体」**を実装するプロセスに他ならない。
筋肉をつけることと、脂肪をそぎ落とすこと。
心拍を整えることと、軸をぶらさないこと。
経営においても、身体づくりと同様に、「存在」と「構造」が結ばれて初めて、持続可能な強さが手に入る。
LDAMとは、その接続点を設計し、経営者自身が“自分の器”に自分を住まわせるための、伴走装置なのだ。
- 震源=なぜその事業をやるのか
-
構造=組織・資金・制度のデザイン
この二つを一致させることで、「軽く強いまま走り続ける組織体」を実装していく。
6 存在を“整え直す”選択
- 体重−20 kgは過程、本質は“存在の輪郭再設計”
- 組織改革もKPI達成は過程、本質は“在り方の更新”
行動ではなく震源を。手段ではなく構造を。
減量や筋トレといった「行動」が成果を生むように見えても、
その背後にある**“なぜそれをやるのか”という震源**が定まっていなければ、長くは続かない。
同じように、特定の制度を使ったり、補助金を申請したりという「手段」が効果を上げるように見えても、
**“どのような構造の上にその手段が置かれているか”**が整っていなければ、それは一過性のものにすぎない。
これは身体にも経営にも通じる、変わらぬ原理だ。
- 震源が定まれば、行動はブレない。
- 構造が整えば、手段は活きる。
表面的な努力やノウハウだけではなく、“その奥にある設計思想”を見直すことが、変容の本質である。
LDAMはそのための思考補助線であり、リンク装置である。
7 まとめ──軽く、強く、しなやかに
- 危機感で量を削り
- 方法論で配分を整え
- 愛の動機で質を育てる
変化は点ではなく、経営という“線”として続くもの
──「震源の所在」が、リバウンドを防ぐ
身体づくりも、経営づくりも──
変化が一過性で終わるかどうかは、「手法」ではなく「震源」にある。
つまり、何がその行動を駆動しているのか。
恐れか。焦りか。使命か。愛か。
この問いをすり抜けて、ただPFCバランスを管理したり、ただコストカットや制度導入を行っても、成果は一時的で終わる。
LDAM/“LinkDrive by Abe method” が重視するのもまさにここ、
行動の背後にある震源=動機の質と構造である。
たとえば減量でいえば、
他者の評価や見た目だけを震源にすると、
「もういいか」という気の緩みとともに、体重も信念も戻る。
経営においても同じ。
補助金を取るだけ、制度を使うだけでは、
本質的な改善には至らない。
だが、震源が「この会社をどう在らせたいか」「誰のために何を届けたいのか」という、
構想的価値に根ざした動機であれば、
手段は連動し、結果も持続する。
だからこそLDAMは、
**AIと人のハイブリッドで「震源を掘り起こし、行動へつなげる経営支援」**を行うのだ。
見た目が変わると、人間関係が変わるように、
組織の構造が整うと、取引先や協業先、従業員との関係性も変わっていく。
それは、自分自身が変わることで、世界との接点が書き換わるという、経営における「存在の再設計」に他ならない。
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