精神障がい者の親なき後問題には3つの側面があると私は考えています。
精神障がい者の子を持つ親にとっての親なき後問題
精神障がい者自身にとっての親なき後問題
そして
精神障がい者の兄弟姉妹間の親なき後問題
先日の就労移行支援施設で行ったセミナーでは、親子関係に絞った内容に致しました。
多くの事を伝えて混乱させてしまうことを避ける意味合いもあります。
本日のセミナーは精神障がい者の兄妹の立場から親なき後問題を考えるもの。
登壇されたのは、
きょうだい支援の会の有馬靖子様
ケアラーアクションネットワークの持田恭子様
「兄弟姉妹が後見人になったケース」と、「兄弟姉妹が後見人にならなかったケース」の両方のご意見を伺うことが出来たのが何よりの収穫です。
専門職後見人、親族後見人、それぞれにメリット・デメリットがありますのでよく理解した上で後見を利用したいですね!
と、私たちはアドバイスすることもあるのですが、そもそも一般の方にとってはどのような場合に後見を利用するのかも分からないのが普通です。
しかも、兄弟姉妹間は親子関係とはまた違った問題をはらんでいるのも特徴的。
年齢的にまだ若いので、一度後見人になったとすると、数十年は後見業務から離れることは出来ない。
そうかといって、見殺しにするのも兄弟姉妹としての本意ではない。
しかし、それぞれ結婚して家庭も持っている。
二律背反的な事情が錯綜し、そのうえで今後の方針を選択するのは至難の業。
決断を先延ばしにしてしまうのは心情としてはとってもよく理解出来ます。
そういった意味では、本日登壇された有馬様にしても、持田様にしても、精神障がい者の兄弟姉妹を持つ方々をそれぞれの経験を活かして支援の取り組みをされているのが素晴らしいと感じました。
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭