警視庁全職員 認知症講座の受講義務化
認知症の高齢者への対応を警察官が迫られるケースが増える中、警視庁はすべての警察官と職員4万6000人に、認知症の症状などを学ぶ専門講座の受講を義務づけることを決めました。
東京都を管轄する警視庁全員が認知症の講座を受けるという驚きのニュース
問題の発端となったのは、この事件。
都内では、去年8月路上で倒れていた高齢者が対応にあたった警察官に認知症だとは気付かれないまま保護されず、後日、別の場所で死亡しているのが見つかり、現場の対応力の強化が課題となっていました。
さらに。
ことし5月に東京・北区の介護施設からいなくなった70代の男性のケースでも現場の対応に課題が残りました。男性は近くの路上で倒れているのが見つかり病院に搬送されましたが、消防も病院も認知症とは気付かず、その後引き継いだ警察官も、男性がかつて住んでいたアパートの住所を話したことなどから認知症とは気付かず、その場では保護しませんでした。
もちろん、講座を通して認知症の方が取りやすい行動パターンなどを覚えておくのも大切ですし、認知症の方と接するためのワークも大切。
知っていさえすれば対応できることって確かにありますし。
路上で倒れていた高齢者がいたとして。
認知症だったら保護して、認知症ではなかったら保護しない?!
認知症だと気づく気付かないにかかわらず適切に保護してくれればいいのに、とは思いました。
それに、「現場の対応力強化」という制度的な側面よりも、応対したその人がどういった行動を取るか?
その個人の問題だとも思います。
以前書いたと思いますが、救急車で運ばれる事故に遭ったとき、その時に対応してくれた警察官の方が感動するほどすぐに行動を執ってくれまして。
その判断の素早さが日頃からの現場対応力の強化といったトレーニングによるものなのか、それとも個人的な問題なのか、分かりません。
これだけは言えるのですが、お勉強で培った現場対応力は応用が効きづらい。
勉強したパターンにちょうど当てはまる場合には、そのお勉強どおりの行動が取れる。
パターンにない場合には戸惑って、結果的に結論を誤ってしまうかもしれません。
しかし、個人の能力として優れている場合には、あらゆる応用が効き、判断も早い。
なぜか。
気持ちが入っているから。
お勉強した現場対応力には気持ちがない。というか、入りづらい。
Aという現象がおきたら、対応はB
でも、
A’という現象だったら、対応はBじゃなくって、Cが必要になるかもしれません。
そのあたりがとても判断しづらいのです。
これから警視庁全職員が受講するのは、認知症サポーター養成講座。
私も受講しましたので、認知症サポーターです。
養成講座では、認知症の方の行動の様子の映像も流されます。
スーパーでお金を出すのが遅い
とか
細かいお金を数えるのが苦手なのでいつも札で会計するから、お財布は小銭でパンパン
など。
あれ?!、この方、認知症なのかなって思うことも、現実にありますよ。
そういった事例を勉強しましたから。
なので、「そういったこともある」と学ぶのは大切。
同時に、地域で高齢者を支える私たち専門職も、気持ちの入った現場対応力を磨いていきたいと思っています。