これまでに戸籍謄本を一度も見たこともないという方もいるかもしれません。
就職や結婚、相続の際に少しでも見たことがある方だと分かると思いますが、戸籍の記載って難しいと思いませんか?
文字ばかりが書き連ねてあって徒に難解にしている印象もあります。
多くの方は、最初に戸籍を見たときに、戸籍に対するアレルギーを持ってしまうようです。
私のお客さまの高齢者は以前このようなことをおっしゃっていました。
読めば分かると思うけど、ごちゃごちゃして見るのもイヤ。
だから先生、なんて書いてあるか読み上げて!
と。
読めば理解出来るんですよね、丁寧に読みこめば。
しかし、そうさせないものが戸籍にはあるというのも分かります。
さて、この連続WEB講座は、自分自身で無料で家系図を作りましょう!という趣旨です。
家系図専門家?!や、家系図無料作成サイトのお世話になることも一切ありません。
だから、あなた自身で戸籍を読み解く必要がどうしてもあります。
読むのが嫌だから、という言い訳は出来ないのです。
といっても、戸籍を読み解くのは特別難しいことではありません。
ただ、たった一つの視点を持っておくことがとてもとても大切になります。
戸籍謄本は必ず連続しているという事実
”何を今更そのような当たり前のことを”
という感じですよね。
司法書士事務所、行政書士事務所など専門職の事務所補助者あるいは本職(笑)や、役所の戸籍係の方も、戸籍を読むのが得意ではない(戸籍の読み方がお恥ずかしいが分からない)という方は、
例外なく、戸籍は連続しているという視点が欠落しています。
これは、私のイマジネーションではなく、18年間の業務経験で見てきた事実です。
戸籍は連続しているというのは具体的にはどういうことなのか?
文字どおり、その戸籍単体で成立しているものは絶対にないということです。
人は、ある日突然地球上に現れるわけではありません。
必ず、父母がいて、その子、というように戸籍の縦系が一本通っているわけです。
家系図を作るということは、実は、その縦系統を分かりやすく表記することに他なりません。
もちろん、その縦系統を遡る過程で、横系統(兄弟姉妹や従兄弟、叔父叔母などの傍系血族)の調査も必要になります。
自分自身を始点にして、縦系統と横系統をツリー状に表す家系図を作るときには、戸籍単体で読むのではなく、必ず縦系統及び横系統のうちのたった一つなのだと頭に入れておく。
一つの戸籍には、出口と入り口が必ずあります。
もちろん最新の現在戸籍事項証明書の場合、誰も出ていなければ(婚姻や死亡、養子縁組などで戸籍から離脱している者がいなければ)出口の記載はありません。
しかし、いずれは、家族の誰かが婚姻して除籍され、また誰かが先に死亡して戸籍の中のメンバーが抜け落ちていきます。
また、その戸籍が出来たそもそもの原因についても、この「視点」があるととても理解し易い。
自分の父親が戸主になっている戸籍も、元々はおじいちゃんの戸籍から結婚のときに父親の戸籍を作ったものかもしれません。
そのおじいちゃんの戸籍だって、曾祖父さんの時代に家督相続されたものかもしれませんね。
今後触れますが、日本の戸籍制度は以下のような変遷をたどっています。
明治5年式戸籍の制定
明治19年式戸籍の制定
明治31年式戸籍の制定
大正4年式戸籍の制定
現在戸籍
戸籍は、王朝時代からあるとされていますが、現在の戸籍制度の礎となるのは明治5年に初めて登場します。
その後、旧法戸籍と呼ばれるものが続き、現行戸籍が生まれたのは昭和23年1月1日からのこと。
こうして日本の戸籍制度を俯瞰してみると、戸籍は連続しているという事実も実感できると思います。
行政書士阿部総合事務所
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