外国人社員を初めて採用する企業がもっとも心配していることが外国人とのトラブル。
もちろん日本人社員でも同じようにトラブルは起こりますが、外国人社員とのトラブルは文化や習慣なども影響するため一回こじらせると回復が困難というイメージが強いですね。
外国人留学生のスキルの高さは認めていても結局のところ日本企業での外国人社員の採用が進まない原因はココにもあるのです。
共感より理解
聞かれたことはありますか?
外国人社員のコンサルティングというよりも、国際交流の場面で外国人との関係を良好に保つためにはという文脈で使われます。
「共感」というのは文字通り、感情のものなので現実問題としてストンと腹に落ちるのは難しいんですよね。
例えばですよ、アジアの諸外国で食べ残したものをテーブルの下に落とす慣習の国があるとしましょう。
日本人でしたら絶対に共感は出来ないですよね。でも、理解は、出来そうですか?
ゴミ箱に捨てずにそのまま下に落とすのも何か理由があるかもしれません。
また、ある東南アジアの外国人留学生の方を採用した企業では、挨拶をしない外国人の処遇に困っていました。
といっても、当の外国人からすれば当たり前のことですが、日本人のように何かにつけて挨拶というコミュニケーションをとる慣習がないのであればやむを得ません。
これも、「共感」は出来ないかもしれませんが、「理解」は出来そうです。
なぜかといいますと。
「共感」は感情の問題ですが、「理解」は理性、ロジックの問題です。
考えれば、「理解」は出来ることが多いのです。
それが、感情的になってしまうと「共感」出来ないので外国人社員の一挙一動が気に食わないものになるのです。
これも「理解」しようと思わないと分からないことですが、外国人の場合にはビザがないと日本から出ていかなければなりません。
日本人ならいくらケンカして会社を辞めようが国から出て行け!とはなりませんよね。
その点、外国人は働くビザ(就労ビザ)がなくなってしまうと退去しないといけないので必死なんですよね。
だから共感しなくても、日本人社員にも「理解」の眼差しが必要になるわけです。
外国人社員の採用を検討している事業主様は、「共感」より「理解」を知っておくと良いと思いますよ。
行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭