外国人の方が持っているビザの知識と、入国管理局の運用基準とは明確に違うことについて知っておいたほうがいいですね。
外国人の方が持っているビザの知識は主に経験に基づくもの。
入国管理局の基準は入管法や入国管理審査要領など。
経験に基づくものか、法に基づくものかの違いは決定的です。
違いの一つはアップデートが遅くて不確実だということ。
一般に経験則がアップデートされるまでには相当期間、相当量の経験値の積み上げがあってから。経験を経験で覆そうというのだから大変な時間がかかるわけです。
具体的に言いますと、入管法が変わり、ビザの取り扱いが瞬時に変わったとしてもそれが実例として現れるまでには相当の期間を経過しなければなりませんし、変わった取り扱いによって不利益を受けたというウワサや口コミが伝わるまでには相当数の不利益が必要になるのです。
一方、入管法などのアップデートは一瞬です。
もちろん入管法改正までにはパブリックコメントなどの手続きもありますが、アップデートされたことは明確でしかも基準日がハッキリしている。
例えば、外国人事業主の中には不法就労外国人を働かせて利益を得ていても、外国人労働者本人は退去強制事由になるだけ。
そう思い込んでいる外国人経営者さまも多い。
しかしその取扱は、入管法改正によって変わっています。
入管法の改正前であれば、不法就労を行っている不法滞在外国人は退去強制事由になりますが、不法滞在者を使って利益を得ている外国人事業主は退去強制されないことになっていました。
それが、入管法改正によって不法滞在者を使って利益を得ている外国人事業主も不法就労助長にあたり、退去強制事由なります。
入管法第24条
三の四 次のイからハまでに掲げるいずれかの行為を行い、唆し、又はこれを助けた者
イ 事業活動に関し、外国人に不法就労活動(第十九条第一項の規定に違反する活動又は第七十条第一項第一号、第二号、第三号から第三号の三まで、第五号、第七号から第七号の三まで若しくは第八号の二から第八号の四までに掲げる者が行う活動であつて報酬その他の収入を伴うものをいう。以下同じ。)をさせること。
ロ 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置くこと。
ハ 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又はロに規定する行為に関しあつせんすること。
ビザに関する知識はくれぐれも入国管理局や行政書士などの専門家に確認するようにしてください。
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解決支援コンサルタント行政書士阿部隆昭