”アポイント時刻ピッタリに到着したんだからいいだろう”
相手からすると、そうではないかもしれません。
もしも、あなたが待つ側だとたら、午前11時アポイントの少し前、10時50分ごろからソワソワし始め、10時55分には”もうそろそろいらっしゃるかな”と予想しませんか?
ビジネスの現場では、多かれ少なかれ、こんな感じで時間が動くと思います。
前職時代、一部上場企業の財務部門のコンサルティングをしていた頃、ちょうどの時刻、10時、11時の少し前になると1階ロビーにはアポ待ちのサラリーマンが集合し始め、58分ごろに受付に殺到するのが日常でした。55分ではまだ早いですよね。理想は58分。
何が言いたいのかというと、アポイントへの対応は誰しも予想を立てているのですよ、意識するとしないと。
デートの待ち合わせだって、時間が近づくともうそろそろかなと思って周りを見渡したりしますでしょ?
それと同じ。
なので、その予想が裏切られるとですね、アレ?!、と思われるわけです。
そもそもですよ、アポイントの内容ではなく、訪問時刻程度で”アレ?!”と思わせたら絶対にダメでしょう。
理由を一応聞きはしますが、ほぼどのような理由でも遅れるのは完全にNGでしょう。
初対面の場合には、そもそも無かった信頼が一気にマイナスになるケースです。
そりゃそうですよね、時間さえ守れない相手が、他の仕事の約束を履行するとは到底思えません。
では、アポイント時間ピッタリの来所であれば、それは許されるのか?
11時アポで11時訪問は、ダメです。
時間は守ったのですが、相手の抱く期待、予想を裏切っているから。
5分前、あるいは、2分前に訪ねて来るだろうなあ、という予想に反している時点ですね、相手方に”ん?!”という感情を抱かせてしまう。
「◯◯社の△△さんが受付にいらしてます」と電話で聞いたとき、掛け時計を見る。
”11時ピッタリか。。。”と思うかもしれないし、思わないかもしれない。
つまり、相手の感情の中のことなので訪問する側にはわからないことなのです。
だからこそ、気をつけましょうよ、ということ。
そもそもですよ、”安倍総理のお食事会に呼ばれました”
時間ピッタリに登場しますか?
少し前に着くように向かいますよね??
興奮しすぎて早く着いてしまい近くのカフェで待つことをしませんか??
僕だったらしますね。
つまりですね、アポイントにどう対応するかは、すなわち自分が相手をどう思っているかの裏返しなのです。
お世話になっている方に相談したいことがあって、やっと時間をもらった。
遅れられないでしょう。時間前に着くでしょう。万が一遅れそうなら連絡は入れるでしょう。
度重なる営業行為の末にやっとアポイントをもらった。
絶対に遅れられない。遅延でも対応できるように一時間前行動でも早すぎることはないでしょう。
”当社のことはどうでも良いということだな”と万が一にでも思われたとしたら、これまでに費やした時間とお金を捨てることになります。経営判断としてもそれは許されないし、その可能性があるのであれば事前に避けるように行動するわけです。
さて、アポイント時刻に遅れること、アポイント時刻5分前に到着し2分前に訪問すること、アポイント時刻ピッタリに到着すること、いろいろと書いてみました。
クライアントさんの予想を裏切ることなく、営業行為を成功させるためには、アポイント時刻少し前に訪問することは当然のことですよ、とお伝えしたいです。ピッタリもダメです。
人と会うことも、創業者の大切な仕事、と言われます。
そう、人と会うことは大切な仕事。
アポイントのスタートで、”ん?!”、と思わせず、すんなりと仕事の内容をお話しできるようにすることもまた仕事です。
開業支援コンサルタント行政書士阿部隆昭