前職時代に一部上場企業の総務部門や人事部門、法務部、財務部が担当先でした。
相談される内容が多岐にわたり、それに関する文書作成のアドバイス等も数々行ってきました。
例えば、今回の記事のテーマの印章管理。
事業規模や社風によっても状況は異なるのですが、会社実印の管理はどうされていますか?
代表取締役社長だけが会社実印を押す権限を持っているという会社は多い。
ですが、機動的な事業運営という視点で考えると、それが障害になる事例もいくつか見てきました。
公的機関に提出する文書の署名欄にはほとんどの場合、会社実印の押印が要求されます。
申請日付締め切りが明日なのに、その申請書に押印すべき会社実印を持っている社長はゴルフに勤しんでいる。
会社実印を持っている、と書きましたが実印を常に持ち出しているわけではありません。
実質的に押印出来ないという意味です。
専務取締役や常務取締役を置いている企業の場合には、社長に変わってそれらの者に押印の権限を与えている場合もあります。
リスクマネジメントとしての印章管理といいますと、”印鑑を紛失させない”、印鑑を押す文章を精査する”といった意味で使われることも多いのですが、”押したいときに押せない”というのはもちろん事業リスクです。
総務部門としてリスクマネジメントとしての印章管理を検討するフローの一例を提示しますね。
1、印鑑を誰が持っているかを把握
2、印鑑を押す場面を洗い出す。
3、印章に関するリスクも洗い出す。
4、上記により把握したリスクをマネジメントする。
ロジックで考えるととても当たり前のこと。
リスクを抽出してマネジメントするだけ。
このときに注意したいのは、リスクの抽出は一人でやらない、ということですね。
解決支援コンサルタント野獣系行政書士阿部隆昭