「うちはコロナで影響を全く受けていないんですよね」
世間はコロナ禍真っ只中、飲食店経営者に聞いたことがある。
業種業態を問わず何らかの影響を受け、人々の日常をリニューアルさせるほどのパワーがあるのに。
個人的に興味もあったので聞いたみた。
「飲食は軒並み影響を受けているので、なぜ影響ゼロなのでしょうか?秘策とかあるのですか?」
飲食店経営者全員が知りたい疑問。
その経営者はあっさりと答えた。
「信頼と味ですかね」
コロナだから?それが何か?、といった感じでコロナを物ともせずに普段通りお店に通ってくれる常連達。
最強の常連に多数抱える理由は、店主への信頼と、味への信頼、だそうだ。
コロナ禍でも美味いものは食べたい、飲食店の出入りもままならない時代だからこそ、自分が良いと思った店に行きたい。
そう考えるお客様が多かったという。
更に、ここに来れば美味いものが食べられる、という味への絶対的な信頼。
これら二つが未曾有の外部環境の変化にもビクともしなかった要因。
店主への信頼、味への信頼という二つの要素について、ある種の”読み換え”をすれば他の業種業態で再現性があるかどうか。
それはわからない。
ただ、ハッキリしているのは、経営者が意識してそれを創り上げるように取り組んでいたこと。
たまたまそうだった。
だからコロナ禍を免れることができた。
というのは全くない。
経営姿勢、といってしまえばそれまでだけれども、目標や理念をどれだけ極限まで追求していたのか、小さな小さな積み重ねなのだと理解した。
人によって違う、業種によって違う、状況によって違う。
そう言ってしまうのは簡単だけれども、そうではないものが確実にある。
行政書士阿部隆昭