補助金は審査試験ですので、どれほど上手に申請書を組み立てても採択されないことがあります。
審査、ですので、審査のスポーツと同じですよね。
私は高専時代に卓球部におりましたが、「点数」という明確なものがあるので審査とは違いますが、例えば美を争うような競技としてフィギュアスケートなどは審査試験の代表でしょう。
とはいえ、一定の判断基準といったものは補助金審査には存在します。
公募要領の記載で、それをズバリ言っているものを発見したのでシェアしますね。
令和二年度第三次補正予算の小規模事業者持続化補助金低感染リスク型ビジネス枠
令和元年度補正の小規模事業者持続化補助金と違って、新しくスタートした補助金なので、この補助金の存在そのものを知らない事業者様もまだまだ多いのが現状。
この補助金の公募要領に、下記の記載があります
そもそも論ですが、他人頼みにして経営をすることに補助金は消極的です。
小規模事業者持続化補助金は特にそうですが、この記載に見られるように、「小規模事業者自らが」というように、他人頼みにしないで自分で考えて自分でやろう、と言っているんですね。
外部のアドバイスを受けることは、補助対象経費としても認められているとおり、それ自体は問題ありません。
ですが、「事業者自らが検討しているような記載が見られない場合」は採択の対象とはならないのです。
記載のポイントは、この3文字
「自らが」
事業者自身で考えて、事業者自身が主体的に補助金を使った事業を執行しないと判断されると不採択の方向に流れることがよくわかります。
上記の記載からわかる補助金申請をする側の対策としてはこの二点につきます。
1、そもそも他人頼みにしないこと。
2、他人頼みだと思われないこと。
上記1は言わずもがなですので、2を深掘りしてみます。
公募要領の書きぶりをよく見てみましょう。
アドバイスを受けることは問題ありません。
ということなので、外部の支援を受けることそのものが問題ではないことが分かります。
さらに。
事業者が、
自ら、
検討している記載が
見られない
場合に不採択になると書かれています。
つまり、外部支援者に任せっきりにしていると読み取れる記載になっている。
自ら検討せずに、外部支援者にコンサルフィーを支払って丸投げすると読み取れる記載になっている。
補助金申請事業者が主体的に考えているとことが申請書からは読み取れない。
小規模事業者持続化補助金の制度趣旨から、また補助金そのものの趣旨からいえば、上記であればそれは不採択になるでしょう、といった当たり前のことが書かれているわけです。
補助金申請は、原則面接審査がありません。
補助金申請「書」という、書面で審査員に伝えなければならないですよね。
補助金申請書は、ただ書いているわけではなく、審査員という読み手が存在することを常に頭に入れる必要があります。
当社としてはもちろん自分で考え自分で業務執行すると思っていても、補助金申請書の読み手からすれば”外部支援者に任せるんですよね?!”と思われる書きぶりになっていれば、一気に不採択の方向に審査は流れるわけです。
若干、テクニカルな話にはなりますが、補助金で取り組む事業そのもの以外にも、補助金の申請書の書き方にも工夫が必要であることも分かっていただけると思います。
そのあたりが、補助金申請サポートを「業務」としている弊所のようなポジションのノウハウになるわけで。
今回お伝えした補助金申請の視点はとても大切。
このエントリーをお読みになった方は、ご自身だけではなく知人経営者などにもお伝えいただけると喜ばれると思います。
行政書士阿部隆昭
動画でも解説をしています!