何をもって「成功」かといっても諸所ありますが、「消費者がダイナミックプライシングを受け入れた時点で成功した」、としましょう。
先日、とあるエスニック系のカフェにお伺いしまして。
ランチセットが「ホリデー」と「ウィークデイ」とで、価格差が500円程度あります。
「程度」と書いたのは、両者でドリンクメニュー等が若干違いますが、まあほぼ「平日と休日とで500円違うのかあ」と消費者に思わせる内容です。

「平日と休日とで500円も違うのかあ」
「平日と休日とで500円しか違わないのかあ」
後者であれば、ダイナミックプラシングは「成功」です。
さて、ダイナミックプライシングが下調べで分かったとしても、そりゃそうだよね、と思わせる要素はどういったものがあるでしょう?
例えば今回の場合、「行ってみたい特別の事情」があり、それが「特別な場所」に所在していて、さらに内装やホスピタリティも相まって「特別な体験」ができることが事前にわかっていて、混み合う休日でも行ってみたい場所。
それらの「特別」の価値は、金額に換算して500円なのかどうか?
来店を検討している方の事情にもよりますが、そう考えてみると500円の価格差があったところで、「行かない」という結論にはならないか、思い巡らせることができるかもしれません。
ただ、反射的には、「500円も高いの!」と思ってしまうのも分かります。
「休日はお客さんで混み合い、食事提供のオペレーションも大変で、回転数も稼げないので平日よりも値上げしよう」という飲食店があったとします。
これもダイナミックプライシングですよね。
さて、この場合、「成功」するでしょうか?
単に、駅から近いなどの立地が便利だから、近隣の競合店と比較して、金額が安く量が多いから、などの理由で混み合っているのかもしれません。
この場合には、その場所でなければならない理由がないですよね。
ダイナミックプライシングをした途端、客が離れ、平日の客数にも影響が生じる可能性もあります。
値上げをしたい店側としますと、顧客からどのように位置付けられているかを判断し、顧客視点での店側の価値を考えてから、価格の再設定をすることが大切ですね。
行政書士阿部隆昭