資金調達と外国人雇用に強い行政書士阿部総合事務所

認定経営革新等支援機関(中小企業庁)

数字だけでは測れない「会社の香り」──売上を伸ばす“もう一つの視点”を行政書士が解説|行政書士阿部総合事務所

July 4, 2025
約 5 分

サービス概要

補助金申請サポート

新事業進出補助金・ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金、創業助成金など、御社の経営改善・業績向上実現の視点から最適な補助金助成金を提案。事業計画立案から申請書類作成、採択後フォローまで対応します。オリジナルサービスも活用し、他にはない支援を実行しています。

LDAM無料診断
(LinkDrive by Abe Method)

カスタマイズしたAIと専門家の知見を融合した独自フレームワーク「AI経営支援型・補助金ナビ&コンサルティングサービス」。自社にとって正しい判断を導き、具体的な戦略の提案をオンライン診断でレポート化します。

創業・起業支援、セミナー講師

ビジネスアイデア構築から事業計画書策定、資金調達(創業融資や創業助成金等)、人材育成、会社設立・許認可取得までトータルサポート。関連士業など万全の支援体制で安心して創業できます。

ビザ・在留資格手続き

ビザ(在留資格)の取得(経営管理、技人国等)・変更・更新取次手続き等、出入国在留管理町認定取次行政書士として法令に則った申請をサポートします。外国人労働者を雇用する企業のコンサルティングも行なっています。



コーヒーの香りは、どこで立ち上がるのか?

──全自動から手挽きへ。「構造としての経営」を問いなおす

夜中に淹れる一杯のコーヒーが、思いがけず、私の経営観を変えることになったんです。

それは「道具を変えただけ」の話。なのに、結果として「見える世界」がまるで違ったんです。


◆ 全自動をやめた夜

長らく私は、全自動のコーヒーマシンを使っていました。

豆をセットすれば、あとは勝手に挽かれ、お湯が注がれ、香り高いコーヒーが数分で出てくる。手軽で、均質で、スピーディー──まさに“効率の象徴”でした。

でもある夜、ふと気になったんです。

深夜に仕事を終えた静寂の中で、全自動の「ガリガリガリ……」という豆を挽く音が、やけにうるさく感じたんです。

「さすがにこれは、憚られるな」と思った私は、全自動をやめ、手挽きのミルとハンドドリップに切り替えました。


◆ 音が静かになったら、“香り”が聞こえてきた

手で豆を挽くと、不思議とその音、”ガリガリ”が心地いいんです。

何より驚いたのは、「あれ、コーヒー豆って、挽いてる時からこんなに香ってたんだ?」という体験でした。

全自動の頃には気づけなかった、“香りが立ち上がる瞬間”を自分の手の中で感じることができたんです。

つまり私は、効率と引き換えに、大事な感覚の層をまるごと取りこぼしていたんですね。

しかもこの静かな手挽きスタイルなら、深夜でも気兼ねなくコーヒーが淹れられる。周囲に配慮しながら、自分に自由を許す構造に切り替えられたわけです。


◆ これは経営の話でもある

この変化を体験してから、私はふと「これはまるで、経営の構造そのものだな」と感じるようになりました。

全自動マシンは、いわば非介入型・効率最優先の経営モデルです。

  • 現場のプロセスには立ち入らず
  • 一律で安定的な結果を求め
  • “音”や“香り”はシステムに吸収されて見えなくなる

それは一見、スマートで洗練されています。でも、人や組織が何かを「感じる余白」や「立ち止まる余地」は、失われがちです。

一方で、手挽き関与型・体験重視の経営モデル

  • 自ら手を動かすことでプロセスと向き合い
  • 香りや手応えという“見えない価値”を回収し
  • 周囲との調和を意識しながら、自分のリズムで進める

ここにあるのは、「早く終わらせること」ではなく、“プロセスそのものが価値になる”という感覚の設計です。


◆ 経営における「香り」とは何か?

私は今、コーヒー豆を挽きながら考えます。

経営における“香り”とは、たとえば

  • 顧客の声がふと社内に届いたときの空気の変化
  • 現場で働くスタッフがある言葉にうなずいた一瞬
  • 組織の誰かが、自発的に新しい問いを立てた瞬間

そういった、数値やKPIでは測れないけれど、確かに立ち上がる“気配”や“兆し”のことではないでしょうか。

もし私たちの経営が全自動すぎて、そこに関与することなく「結果」だけを追い求めていたら、香りが立ち上がる瞬間には、きっと気づけないんです。


◆ 効率の中に“静けさ”を設計する

この気づきの先にあるのは、単なる「効率 vs 感性」ではありません。

むしろ、「効率の中に、静けさと香りを共存させる構造をどう設計するか?」という問いなのだと思います。

私は、手挽きにしてよかったと思っています。それは、コーヒーがおいしくなったから、というよりも、「感じる力」を取り戻す構造に変えた自分を、信じられるようになったからです。


◆ あなたの組織に「香り」を取り戻す具体的な一歩

では、あなたの組織ではどうすれば「香り」を感じられるようになるでしょうか?

具体的な一歩として、例えばこんなことを試してみてはいかがでしょう。

  • 「ノー残業デー」ならぬ「非効率探求デー」を設ける: 普段は効率重視の業務も、週に一度だけ「なぜこのプロセスなのか?」「もっと良い香りが生まれる方法はないか?」とチームで深く議論する時間を作る。
  • 顧客の声を聞く「オフライン時間」を増やす: アンケートやデータだけでなく、顧客と直接対話する非公式な場を設け、数値には現れない「生の声」や「感情の揺れ」に触れる機会を作る。
  • 現場の「つぶやき」に耳を傾ける仕組みを作る: 定期的なミーティングとは別に、現場で働くスタッフが気軽に意見や気づきを共有できる匿名ボードや休憩室での雑談タイムを設ける。

◆ 最後に

経営において、私たちは多くの場面で「全自動」になりすぎます。それは悪いことではないのですが、香りを失った経営は、長くは続きません。

あなたの組織には、どこに香りが立ち上がっているでしょうか?

その気配を感じられる時間と構造を、もう一度デザインしてみてはいかがでしょうか。きっとそこに、今まで見えなかった本当の価値が、ふっと香ってくるはずです。

行政書士阿部隆昭

行政書士阿部隆昭

行政書士行政書士阿部隆昭
創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。