補助金と外国人雇用に強い行政書士阿部総合事務所

認定経営革新等支援機関(中小企業庁)

「せふてうでた」の答えは――。10年前の認知症カフェから学んだ、相続に向き合う姿勢|行政書士阿部総合事務所

September 26, 2025
約 4 分

サービス概要

ビザ・在留資格手続き

経営管理・技人国・特定技能など、企業向けの在留資格について、採用前の「どのビザが使えるか」という段階から許可取得まで一気通貫でサポートするサービスです。業務内容のヒアリングを通じて会社の実態に合った申請書を設計し、更新・変更手続きや在留カード取得後の相談にも継続して対応します。

補助金申請サポート

新事業進出補助金・ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金など、 すでに使いたい補助金の候補がある企業向けの有料支援実務サポートです。
事業計画のブラッシュアップから申請書作成、電子申請、採択後の実績報告まで、 行政書士がワンストップで伴走します。

補助金ドクター
powered by LDAM

「補助金ドクター」は、行政書士阿部隆昭が開発した LDAM(LinkDrive by Abe Method)診断エンジンを用いて、 御社の業種・従業員数・所在地から、 今使える可能性の高い補助金と今後の経営改善のヒントを コンパクトに整理するオンライン診断サービスです。

創業・起業支援、セミナー講師

事業計画書策定、創業融資、助成金、会社設立、許認可取得までトータル支援。商工会・自治体などの講師実績も豊富です。

```

先日、古い写真を整理していたときに、思わず笑ってしまう一枚を見つけました。

そこには、黒板に大きな文字でこう書かれていました。

「せふてうでた」

一瞬、なんだこれは?と思いますよね。

私も当時、その場で「???」と首をひねりました。

この写真は、約10年前に私がボランティアとして参加していた「認知症カフェ」で撮ったものです。

行政や地域の専門職と一緒に、認知症ご本人やそのご家族、介護者の方々と交流する場。

「支援する」よりも「共に過ごす」ことに重きを置いた、温かな空間でした。


認知症カフェの黒板クイズ

その日も、和やかな雰囲気の中でクイズが始まりました。

黒板に大きく書かれた「せふてうでた」を前に、みんなで首をかしげる。

「なんだろうねぇ」

「難しいねぇ」

答えをすぐに出すことではなく、「一緒に考えている時間」が笑いと安心を生んでいました。

しばらくして、「読む順番を変えてみたら?」という声。

そう、正解は――

「腕立て伏せ」

あまりに単純で、だけどみんなが「ああ〜!」と声をあげて笑いました。

その場の空気が一気に和んだのを、今でも鮮明に覚えています。


当時の自分の視点

正直に言えば、当時の私は「なるほどなあ、おもしろいクイズだなあ」とだけ思っていました。

ちょうどその頃、私は終活関連業務に力を入れていて、遺言書作成や遺産分割協議書の作成を多く受任していた時期です。

人生の大切な場面に関わる仕事ですから、どこか「正解」や「成果」を追い求める思考に偏っていたのです。

だからこそ、黒板クイズのように「意味があるのかどうかよくわからない出来事」に、うまく価値を見出せなかったのです。


10年経って気づいたこと

今、改めて振り返ると気づきます。

あのクイズの本質は「正解」ではありませんでした。

それは――

「わからないままでも、共に考え、笑い合う時間にこそ意味がある」

ということ。

相続や遺言の現場でも同じことが言えます。

答えは一つではありません。

家族の数だけ思いや事情があり、正解を一つに絞ることはできない。

大切なのは「共に考え、その過程で安心を積み重ねていくこと」なのです。


相続支援に生きる、認知症カフェの経験

認知症カフェでの体験は、私の相続業務の姿勢に深く影響しています。

遺言書や遺産分割協議書の作成は、形式的に言えば「法律に基づいた書類の作成作業」です。

けれど、実際にご相談を受けてみればわかるように、そこには必ず「感情」や「不安」が同席しています。

「争いを避けたい」

「子どもに迷惑をかけたくない」

「兄弟姉妹に不公平感を残したくない」

こうした気持ちに寄り添いながら、形式と実務を整理していくことこそが、本当の意味での支援だと私は考えています。

そして、この姿勢は間違いなく、10年前の認知症カフェでの「一緒に笑う経験」が育ててくれたものです。


「途中を楽しむ」ことの大切さ

人生も相続も、「完成」や「正解」だけが価値ではありません。

むしろ、その途中でどれだけ心を通わせられるかが大切です。

遺言書作成の過程で、ご家族が普段言えなかった想いを打ち明けることがあります。

遺産分割協議の場で、長年の誤解が解けることもあります。

それは書類には直接書かれないことかもしれません。

でも、その「途中」のやり取りこそが、安心や納得につながり、結果的に争いを防ぐのです。

10年前の「せふてうでた」クイズも、同じことを教えてくれました。

大切なのは答えそのものではなく、「わからないねぇ」と笑い合った時間だったのです。


今に続く布石

あの頃、認知症カフェ繋がりで出会った90代の方の支援を、私は今も続けています。

10年前はただ「ボランティアの一環」と思っていた時間が、今振り返ると確かな布石でした。

それが今の私の業務の土台となり、「形式だけではなく人に寄り添う相続支援」という姿勢につながっています。


まとめ:相続に「正解」はない

黒板に書かれた「せふてうでた」の答えは、「腕立て伏せ」でした。

でも本当の意味で大切だったのは、正解を当てることではありませんでした。

それは、わからないままでも一緒に考え、安心を共有できた時間。

そして、その経験が今の私の業務姿勢に直結しています。

相続や遺言のご相談を受けるとき、私はいつもこう考えます。

「正解は一つではない。だからこそ、共に考え、安心を積み重ねていこう」

10年前の認知症カフェの一枚の写真は、今も私にその姿勢を思い出させてくれる宝物です。

行政書士阿部隆昭

行政書士行政書士阿部隆昭
創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。