資金調達と外国人雇用に強い行政書士阿部総合事務所

認定経営革新等支援機関(中小企業庁)

『ビッグイシューの四重苦』1活字離れ 2無料誌の台頭 3路上販売、最後の「苦」は?|行政書士阿部総合事務所

October 5, 2014
2998 views
約 9 分

7gy_bor

 

 

 

 

 

 

 

 

ビッグイシューが読みたくてしかたありません。

地元の駅前では路上販売がないので、立ち寄りがあったときに気を配ってみているのですが、売っていない。

 

移動販売というイメージもあるけど、主に売っていそうな駅とかあるのかなあと思って公式サイトを検索してみると。

 

2.路上の雑誌販売、四重苦に挑戦

ビッグイシュー日本は100%失敗するといわれました。日本では、1.若者の活字離れ、2.雑誌の路上販売文化がない、3.優れた無料誌が多く有料では買ってもらえない、4.ホームレスからは買わない、という四重苦があるからです。創刊から10年余、多くの市民とともに、この常識に挑戦し、累計593万冊、ホームレスの人に8億3492万円の収入を提供しました。

 

活字離れは分かる。

確かに本を読まな人って多いですしね、でもこれって、実は若者に限ったことではありません。

日経ウーマンのこんな記事もあります↓

http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20140425/179365/

 

雑誌の路上販売の文化は、実は、東京にはあります。

といっても、多少イメージは違いますが。

捨ててある雑誌ありますでしょ。

週間◯◯なんていうマンガ雑誌って読み終えると、電車の網棚にポイって捨てる人多いんですね、東京では。

全国、そうなのかな。

で、それを集める人たちがいて、更にそれらを駅前の路上で一冊100円で販売している訳です。

今はどうだか分かりませんが、少し前の渋谷駅にはありました。

 

夕刻はちょっとした繁盛店になるんです。

帰路につくサラリーマンが車内の暇つぶしに大挙して買っていくんですね。

100円で買って、降りる駅で捨てる。

捨ててあった本が、100円の価値に変わって、また捨てられて拾われて100円に。

ちょっとしたリサイクル業です。(と、それを販売しているおじさまは自分たちのことを言っていました。)

 

R25とか読み応えありますものね。

もうとっくに25歳オーバーになった自分もたまに読んでも面白い。

無料誌で十分だから、おカネ払ってまで読まないよっていうのは、ちょっとはあるのかな。

 

 

四重苦の四番目。

ホームレスからは買わない。

四重苦の四番目が最も解決しづらい問題のようでもあるけど、実は、四番目だけが自分たちで解決することができる問題。

 

だって、活字離れや路上販売は文化の問題だからそこを変えるには、ハードルが高過ぎるし、明日の生活費を稼がなきゃならないっていう人達にとっては「文化が悪いから売れない」と言われても何の説得力にならない。

三番目は無料誌の内容に負けるぐらいなら、そもそも有料で売ってはいけないでしょう。

 

 

ビッグイシューを街で見かけても買わなかったのは、内容に興味がなかったからであって、なんか新しい雑誌とは思ったんだけど最も興味のない分野の外タレなんかが表紙のことが多かったらスルーしてきたんですよね。

 

『ホームレスからは買わない。』

どうするか?これ。

どうしたらいいかな。

 

つまり、読んでみたい内容だけど、ホームレースからは買いたくない。

他の人が売っているんだったら買いたい。

ネットもいいから買いたい。

とにかく、ホームレスからは買いたくない。

 

『ホームレスだから買う』、という状態になるのは間違っているんだろうな、たぶん。

ホームレス支援のためだけにビッグイシューを買っている人はいるのかもしれないし、それはそれで販売している方にダイレクトに支援できる方法ではあるんだろうけど、運営として目指すところじゃない、おそらく。

 

四重苦にあがっているということは、ちゃんとリサーチした結果なんだろう。

 

『ホームレスだから買う』

『ホームレスだから買わない』

といった末端の販売者の属性を排除するにはどうしたらいいかというと、その属性を作用させるしかないんじゃないかな。

 

雑誌はそこに書かれている内容が全て。

本来だったら、販売者の属性なんて関連するわけがない。

だって、誰から買っても内容は同じですもん。

電気製品だったら、製品は同じだけど、あの店から買ったら保証期間が長いとか充実しているとかそういったのがあるけど、書籍にはない。

 

『そもそもが、ホームレス支援の目的なんだから内容は二の次なんでしょ?』

っていう意識はおそらくある。

ビッグイシューのバックグランドを知らなければ、なんだボランティア雑誌かと思われてしまう。

といっても、これは周知がうまくいけば改善出来る問題。

本質はこれじゃない。

 

 

ICUのホームレス国際共同研究チームの調査結果がネット上にありました。

ホームレスに対する意識調査研究

 

ホームレスの生活に対するイメージ

「ホームレスは屋外で眠ることが多い」

「屋外で日中の時間を過ごすことが多い」

「ホームレスによって近隣地域が悪化する」

 

ホームレス問題の原因について 

「ホームレス自身の無責任な行動」「

「薬物/アルコールの乱用」

「ホームレス自身が怠惰なこと」

「貧しい人々に対する政府の援助の不足」

「経済制度」

 

ホームレスに対する感情と援助の意思

「ホームレスを哀れに感じる」

「ホームレスを見かけたら触らないように気をつける」という回答も少なくなく、公共の場でテントを建てる、寝るなどの行為に対しては否定的な様子が  読み取れます。

 

 

ビッグイシューを実際に路上で販売している人は、公共の場でテントを立てて生活をしている人とは思えず、路上で寝ている人とはとても思えないし、実際にそうじゃないと思う。

 

販売者は、現在路上で生活しているか、あるいは安定した自分の住まいを持たない人々です。住まいを得ることは単にホームレス状態から抜け出す第1歩に過ぎません。そのため、販売により住まいを得た後も、必要な場合にはビッグイシューの販売を認めています。

 

僕が見かけた販売者は路上で生活している人の身なりとはとても思えないけど、対象がそうである以上、現実に路上で生活している人もいるのかな。

 

ホームレス支援という目的があって、それが全てのホームレスの支援に向かっていて、つまり、自分がビッグイシューを購入することが「無責任な行動」をしている「怠惰」な人たち全てを援助していることになるのが嫌なんですよ、たぶん。

 

ビッグイシューを買うために僕らが払った380円のうち180円が怠惰で無責任な人にあげるのがムリなんです。

自分たちは満員電車で通勤して上司や取引先に頭を下げてこんなに頑張ってるのに、あんた達怠惰で無責任なだけじゃない、と。

だから。

みんな、チラ見してスルーして、コンビニで別の雑誌を買っちゃうんです。

 

ホームレス。

「人」と考えると、より複雑化するから、「スタイル」とするよ。

 

ホームレスという「スタイル」にはパターンが二つあって。

路上生活を良しとしているスタイル。

路上生活から離脱するスタイル。

 

路上生活から離脱するスタイルをとって生活していう人を僕らが見かけることは少ない、というかそのスタイルを選択している人なのかの見分けがつかない。

路上生活を良しとしているスタイルの人は、ターミナル駅の周辺や河川敷、公園などで見かけることができる。

そう、僕らが見かけるのは圧倒的に後者のスタイルの人ばかり。

ホームレスのスタイルには2パターンあったとしても、心の中で「路上生活を良しとしている人」がホームレス。

 

つまり。

「路上生活を良しとしている人」=「ホームレス」=「触らないよう気を付けたい無責任で怠惰な人」

この等式が完全に成り立っている。

 

販売者にこれだけの属性が付いていると、どんな商品だろうと売れない。

 

 

あなたが払った大切な180円は、「路上生活を良しとしていて、触らないよう気を付けたい無責任で怠惰な人のアルコール代に消えることは決してない。

なぜなら、ビッグイシューの収益金は、ホームレスの中でも「路上生活を離脱したいと思っている人」だけの自立費用になるのだから。

 

ホームレス全般の支援はもちろんそれは別にする。

ただい、ビッグイシューの収益の一部は離脱したい人にダイレクトに渡る。

ここにフォーカスするしかないと思う。

 

 

そうでなければ、ビッグイシュー日本版の提唱する素晴らしいこのコンセプトが崩壊してしまう。

人生をあきらめないホームレスの人たちが売る、人生をあきらなめない人の雑誌

 

「人生をあきらめないホームレス」というのは、路上生活から離脱したい人とイコール。

 

僕らは、人生をあきらめないと思っているし、そう思って頑張っている人を応援したいと思っている。

 

その意味では、ビッグイシューの運営と販売者と僕ら購読者、三者のベクトルは完全に同じ方向を向いている。

 

ビッグイシューの購読者が、その内容によって人生に前向きになることがあれば、販売者としても結果的に人生をあきらめない人を支援していることになる。

 

 

 

 

2013年5月現在、月2回(1日と15日)発行し、札幌、仙台、金沢、東京、神奈川、千葉、名古屋、大阪、京都、奈良、神戸、岡山、福岡、熊本、鹿児島で販売している。

ビッグイシューが読める場所

 

 

 『ビッグイシュー日本版』 いくら儲かって、それでホームレスの方は生活できるのか|行政書士阿部総合事務所

 

 

 

About The Author

行政書士行政書士阿部隆昭
創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。