”遺言書を書いていたはずなのに遺言書が見つからない!”
といった状況になることは珍しくありません。
そもそも、遺言書というのは生きているうちに見せびらかしたりするものでもありませんし、自分に万が一のことがあったら遺族が見ることができるようにしておくものです。
とはいっても、遺言書は発見してもらってこそ効力を発揮するもの。
この辺りの兼ね合いが難しいですね。
堂々と置いておくわけにもいきませんし、かといって、見つけにくいタンスの引き出しの裏に置いても意味がない。
そのような時でも、公正証書遺言なら安心です。
公証人と一緒に作る公正証書遺言は、公証役場に遺言書のデータが保存されているからです。
遺言書が見つからない場合には、とりあえず公正証書遺言が残されているかどうかを探しましょう。
具体的な方法などは文京公証役場のWEBサイトに詳しく掲載されています。
Q&Aなので分かりやすいですね。
(遺言検索)
Q1: 亡くなった親が遺言書を作成していたかどうか調べられますか。
A1: 平成元年以降に作成された公正証書遺言は,どの役場でも検索することができます。それ以前に作成さ
れた公正証書遺言は,作成した役場でないと検索できません。
検索を依頼できる方は,遺言者又は相続人等に限定されています。
遺言検索の必要書類等は「遺言検索」をclick。Q2: 手数料はどのくらいかかりますか。
A2: 検索は無料です。遺言公正証書の謄本請求をする場合は,手数料がかかります。Q3: 後見人は被後見人の遺言の有無検索を依頼できますか。
A3: できません。
遺言者が存命なら遺言者に尋ねてください。遺言者死亡の場合は相続人が依頼してください。
注意したいのは平成元年以降に作られた公正証書遺言でないと検索システムに引っかからないということです。
遺言公正証書の有無検索について
平成元年以降に公正証書遺言を作成した場合,どこの公証役場でも検索できます。
平成元年以前に作成したと思われる場合,同遺言を作成した公証役場には記録が残って
いますが,これを作成していない公証役場では検索できません。
リンク先の記事にありますように、昭和時代に作られたものでも、その公証役場独自に記録が残っていれば見つかる可能性もあります。
当時住んでいた場所にある公証役場や、実家の近くにある公証役場など、実際に遺言書を探す時には作っている可能性がありそうな公証役場に問い合わせてみることも必要です。
自分だけで作る遺言書の場合には、置いてありそうな場所を探しまくる、といったことぐらいしか正直方法がありません。
封筒らしきものが見つかって、ハッキリと「遺言書」と書かれてはいない。
これでも、内容物としては遺言書として書き残している場合もありますので、タイトルだけで判別しないようにしたいものです。
また、見つけた!と思ったらつい中身を確かめたくなりますが、自分で作るタイプの遺言書の場合には家庭裁判所の手続きによって開封しなければ過料になってしまうので気をつけてください。
遺言書(公正証書による遺言を除く。)の保管者又はこれを発見した相続人は,遺言者の死亡を知った後,遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して,その「検認」を請求しなければなりません。また,封印のある遺言書は,家庭裁判所で相続人等の立会いの上開封しなければならないことになっています。
検認とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。