自筆証書遺言という、自分で書くタイプの遺言書には危険がいっぱいです。
法律文書としての遺言書を作成するには、法律で決められた方法を守らなければ無効になってしまうからです。
(遺言の方式)
第九百六十条 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。
(自筆証書遺言)
第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
方式の違反ともう一つ気をつけたいのは、内容不明確の遺言書。
遺言書が意味を持ってくるのは遺言をした人が死んでしまったあとです。
難しく言うと、遺言の効力発生時期は、遺言者が死亡したときです。
つまり、家族が遺言書を見たときには、遺言者は死んでしまったいます。
だから、残された家族が判断出来るような、遺言書という紙切れに残された文字だけを見て判断できるような遺言書が望ましいわけです。
私の財産は長男◯◯と長女△△が配当すること。
と書かれていた場合
長男と長女との間で相続の割合(相続分)について話し合って欲しいという趣旨なのか、それとも法律上の相続分で分け合いなさいという趣旨なのか分かりません。
配当というと、分けることについて明確な意思が必要なイメージがあります。
法律で自動的に「分けられた」、というよりも話し合って「分けた」
何れにしろ、遺言に書かれた内容が不明確として無効になる可能性が高いといってもよいでしょう。
家族のためにせっかく作った遺言書なのにもったいないですよね。
法律的に間違いのない遺言書を作るには、公証役場で公正証書遺言として作成するのがひとつの方法。
もう一つは、作った遺言書を専門職に見てもらうというのも有効ですよ。