人生楽ありゃ苦もあるさ。
そうです!
今日8月3日は、TBSで「水戸黄門」の放映が開始された日ですね。
おはようございます。
週末のスキマ時間でコツコツと今までの自分とこれからの自分の整理をする『週末相続トレーナー』行政書士阿部隆昭です。
専門職の立場からなるべく皆さんの役に立つ知識をシェアしようと心掛けています。
「贈与」という行為は一般の方にも比較的馴染みがあるものですよね。
祖父母から孫への贈与
配偶者間の贈与
相続人ではない者に財産を譲り渡したい場合にも、「贈与」が使われることもあります。
ここで注意したいのは、「贈与」は決して簡単ではないということ。
「贈与」は、一方の当事者Aさんが財産(正確には「財産権」という権利)を無償で譲り渡し、Bさんが譲り受ける旨の意思表示をしたときに成立する契約行為です。
念のため、法律(民法)の条文を引用しておきますね。
(贈与)
第五百四十九条 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
ようするに、Aさんの時計(財産)をタダで(無償で)Bさんに「あげる」と言い、Bさんが「もらう」(受諾)と言うことによって成立するんですね。
契約は、口頭でも成立しますので、贈与契約書がなくても贈与は成立します。
口約束でも成立はするのですが、後々、問題が起きたときに証拠となるので贈与契約書といった書面に約束の内容を落としこむのです。
ここまでの確認は、
贈与は口約束でも成立する
口約束を紙に表したのが贈与契約書
インターネット上には、さまざまな書類の「ひな形」といってモデルになる文面が公開されています。
専門職のホームページであったり、各省庁のホームページであったり。
それらで公開されている「ひな形」の当事者の名前を、自分たちの名前に置き換えただけで「完成品」とするのはキケンです。
ひな形はあくまでひな形。
私たち専門職も「ひな形」を利用することはありますが、あくまで契約にかかわる人たち(契約当事者)の事情に合わせてアレンジする前のたたき台としての意味しかありません。
ひな形を採用してそのまま完成品としてお渡しすることはまずありません。
だからこそ、専門職である行政書士に書類作成を頼むメリットがありますし、作成料として報酬を頂くわけです。
口約束を書面化したものが贈与契約書であることは先ほど確認していただきました。
書面になっているということは?
そう、誰にでも、Aさん、Bさん以外の第三者にも目に見えるようになっているのです。
口約束の場合に贈与の内容を知っているのはAさんBさんの二人だけ。
書面になってからは、贈与契約書としてひとり歩きできる事になります。
もしも、AさんがCさんにも同じ時計を贈与していたとしたら。
Bさんと、Cさんは、どちらが時計をもらえるのでしょうか?
何がどうであったらCさんはBさんを退けてまで時計をもらえるのでしょうか?
置かれた個別の事情によって注意しなければならないポイントがいくつもあるんですね。
「贈与」という用語が一般に知られているからといって、贈与という行為までが簡単なのではありません。
その意味で、インターネット上に公開されている「ひな形」をそのまま採用して贈与契約書とするのはキケンすぎるのです。
”近親者同士の贈与だから適当な契約書でいいや”などと思っていると、後々トラブルのタネにもなりかねません。
行政書士阿部総合事務所では、これからなされる契約書の作成はもちろん、既に交わされた契約書のチェックも行っております。
ご依頼いただいた内容については職責上の守秘義務によって秘密が守られますのでどうぞ安心してご連絡ください。