おはようございます。
昔、「契約書の体をなしていない」と弁護士からお叱りを受けている専門職がいたなあ、と思い出したので契約書を作るときにもっとも大切なポイントを残しておきます。
二人以上の当事者が何かの約束事をすることを契約といいます。
正確には、約束したことが法律的な事柄の場合に「契約」というんですね。
「明日、公園であそぼーよ」
っていうのは、「約束」ではあっても、「契約」ではありません。
法律的な権利義務がどこにも発生していませんので。
それを前提としまして。
契約書を作る時にもっとも大切なポイントは、
約束したことを紙に書いたものが契約書
順番を間違えないようにしてください。
ネット上にある契約書のひな形に当事者の住所氏名を入れ込めばOK
そう思っていませんか?
全然OKじゃありません。
有効な契約書として成立した以上は、契約書に書かれている内容で当事者が法律上の権利義務が発生してしまいます。
正確に言えば、口約束でも契約は成立しますので、契約書にしようがしまいが実体上は法律上の権利義務はその人たちについてまわっています。
ただ、それが見えないんです、口約束のうちは。
見えないものを見えるようにするにはどうしたらいいでしょうか?
紙に書くんです。
約束した内容を紙に書くと当事者がみても忘れないし、第三者が見ても何を契約したのかが一目瞭然になります。
だから契約書という紙にするんですね。
何度もいいますけど、順番は、
契約があってから契約書です。
大事なのは、契約書じゃあなくて、契約です。
契約したのは、何なのか?
売ったのか?、贈与したのか?
何を売ったのか?
いくらで売ったのか?
代金はいつ支払うのか?
そういったことを確認する作業をまっさきにしてください。
そのうえで、初めて契約書という書面に内容を落としこむのです。
でも、どうですか?
なんだか難しそうだな、
って思いませんか?
その感想、正しいです。
だからこそ、専門職がいて、作ってくれた対価を支払うようになっているのです。
出来上がったのは契約書という紙1枚でも、そこにはあまたの知見が盛り込まれているのです。
だから、何万円もするんです、たった紙1枚ですが。
もっともしてはいけないのは、
インターネット上にある契約書のひな形に当事者に名前を入れてハイ!完成というパターン。
契約書というのは完全オーダーメイドです。
名前を入れた、それで当事者の法律関係にピッタリ!、というのはまずあり得ません。
インターネットで拾ってきたひな形に、不動産をあげる人ともらう人の氏名を入れ込んで完成、という方が実際にいらっしゃいました。
実体的には負担付きの贈与契約なんですが、インターネットではそこまで配慮されていないので、単なる贈与。
そうなると、契約としては「負担付き贈与」なのに、契約書は「贈与」
契約した内容を書面に落とし込んだのが契約書です。
当たり前のようですが、このポイントが分かっていないと正確な契約書は絶対に出来ません。