相続の専門家は誰?相談先の正しい選び方
そこで今回は、相続の専門家の正しい選び方について紹介したい。
この記事、面白そうです。
相続の専門家の正しい選び方!
これは知りたい!
どうやったら、適確に相続の専門家を選ぶことができるのだろう?
興味をもって読み進めました。
リンク先の記事の結論を引用するとこうなります。
いずれにしても、目的にあった専門家や業者を選ぶことが大切なのだ。
専門家や業者、アドバイザーを決める際には、ホームページの有無や記載内容などを見ながら人柄が良く、面倒見のよい人を選択したい。まずは一度会ってみることが先決だろう。
相談先の正しい選び方の記事で結論がとりあえず一回は会ってから決めるって言われてもですね。
もちろん、直接会ってその専門家の印象を感じ取るのは大切。
でもこれって、相続に限ったことではもちろん、ナイです。
およそ、人と関わる仕事全てにおいてそう。
結局人が動いて仕事をするんだから、その人が自分と合う合わないを始め、能力だったり人柄であったり、属性がものすごく大切になる。
そんなことは、もう、あったりまえですわ。
更にですね。
以上のように、相続相談はその人によって必要な専門家や業者が違ってくる。そして何より相続には全体を見渡せるアドバイスが重要だ。偏った相続アドバイスは、混乱を招くためバランスが重要だ。社会保険制度や保険、金融、不動産、税制、相続の知識をバランス良く持っている専門家といえば「ファイナンシャルプランナー」である。
ファイナンシャルプランナーは、各種専門家や業者と連携をとっていることも多い。相続相談の入り口は、ファイナンシャルプランナーが適任と考える。
要するに、この記事で言いたいことは相続の相談先としてファイナンシャルプランナーが適していますよ、ということなのでしょう。
原文筆者の意見はそうでも、私は違うと思っています。
ファイナンシャルプランナーが相続の相談の入り口として適任としている理由は二つ
1.「各種専門家や業者と連携をとっていることも多い」から。
2.「社会保険制度や保険、金融、不動産、税制、相続の知識をバランス良く持っている専門家」だから。
1について
弁護士、行政書士、税理士、司法書士、社会保険労務士、不動産鑑定士、中小企業診断士、公認会計士、挙げればキリがありませんが、「士業」と言われている先生方が他の業者や各種専門家と連携を取っていない場合が考えられない。
直接知らなくても、”パートナーの知り合いが知っている”などで必要とされる筋の専門家や業者と連携するのって普通のこと。
士業をはじめとする専門家、もちろん業者でも、自分が出来ることと出来ないことが分かっているわけでして。
自分が出来ない仕事は他人にお願いするのが当然なんですよね。
逆に、それを価値とさえ認識していないことも多い。
だって、普通のことだから。
2について
社会保険制度や保険、金融、不動産、税制、相続の知識をバランス良く持っている専門家だから最初の相談先はファイナンシャルプランナーがいい
いいかな?
自分もファイナンシャルプランナーですし、よく分かるのですが、
「バランス」と「専門」は言葉の意味から言っても両立し得ない
「バランス」っていうのは、薄く広く知っているということなんですよ。
「専門」は、ある分野については深い知識を持っている。
これ、どっちがいい悪いの問題じゃなくて、単なる違いです。
で、ファイナンシャルプランナー、FPは明らかに前者ですし、各専門士業はもちろん後者。
薄く広い知識を持っている者はそれを活かすフィールドで活躍すればいいのであっって、それは少なくとも相続の相談ではない。
そう思っています。
相続の相談に行くのであれば最初から専門士業に行ったほうがいいし、行くべきです。
なぜなら、ヒアリングしてどうせ他の専門士業に案内されるのであればそのステップが無駄だから。
また、専門士業でも他の専門家や業者に振り分けることは十分可能だから。
自分もファイナンシャルプランナーを名乗っていた時代もありました。
その時は、実は原文と同じようなことを思っていたんです。
ファイナンシャルプランナーは薄く広く知っている。
ヒアリングをして、各専門家に振り分けるハブのような役割になればいい
でもね、これが使える分野って限られているんです。
家計診断とか、投資判断といったものはファイナンシャルプランナーに相談するのが最適だと思いますよ。
広く薄くの本領発揮の場面ですから。
しかし、相続の相談って、実はとても難しいんですよ。
ファイナンシャルプランナーの知識では正直どうにもならない場合が多い。
もちろん、民法の1044条全部覚えていて、自由に条文操作出来るなら問題ないですよ。
不動産が問題になっているのであれば、遺産分割協議をしても登記に反映出来るのかどうか、不動産登記法の知識も必要です。
お孫さん世代への財産承継や事業承継がらみの相続問題だとしたら、その方法を複数知っていないと提案さえ出来ない。
振り分けるにしても、状況を正確に把握しないと振り分けることは出来ないはず。
正確に把握するには、関連知識は必須になります。
しかも薄く広くではなく、専門的な深い知識が。
だから私は、相続に関する相談は最初から専門士業に相談に行くべきだと思っています。
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭