昔からお客さまによくお問い合わせを受けました。
決算公告ってしなければいけないの?
決算公告をしなければいけないのか?
と聞かれれば、
決算公告はしなければいけません
と回答するほかありません。
なぜなら、株式会社の義務であると会社法で決まっているからです。
といってもです。
現実には決算公告を行なっていない会社も多くあります。
特に中小企業ではそれが顕著。
なぜ決算公告をしない会社が多いのでしょうか?
決算公告をしていないことを咎める人が誰もいない
会社法には過料に処すべき行為というものが定められておりまして。
公告を怠ったときにも過料を納める必要があるのです。
で、過料って、いったいいくらなのでしょうか?
100万円、以下
と、条文上なっているのですが、実際に支払ったという例を聞いたことがありません。
過料を支払った会社もあるのかわかりませんが、長い業務経験で一度もそういった会社にめぐりあったことがないのです。
ということは、決算公告を怠ったとしても誰も咎める人がいない。
それが決算公告をしない行為が蔓延している原因かもしれません。
誰も咎める人がいないし、実際に過料を支払った人がいない。
だから、決算公告はする必要がないのでしょうか?
・まとめ
それでも決算公告はしたほうがいい。
専門職としては会社法に規定のあることをしなくても良いとは積極的に言うことは出来ませんし、コンプライアンス上も問題のある行為です。
したがって、決算公告はしたほうが良いと言えるでしょう。
ちなみにですが、公告っていくら掛かるのでしょうか?
ほとんどの会社が公告方法として定めている官報公告ですと、
決算公告(枠組) 掲載料金(税込) | |||
---|---|---|---|
2枠 | 72,978 円 | 6枠 | 218,934 円 |
3枠 | 109,467 円 | 8枠 | 291,912 円 |
4枠 | 145,956円 | 10枠 | 364,890 円 |
5枠 | 182,445 円 | 12枠 | 437,868 円 |
結構かかりますよね。
まあ、年一回の定時株主総会後の「恒例行事」だと捉えていただき、法令遵守をするしかないですね。
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭
(過料に処すべき行為)
第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条 に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。
二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。