死後に亡くなった方の財産を家族(相続人)で分ける話し合いのことを、「遺産分け」とか「遺産分割」と呼んだりします。
皆さんも、「遺産分けで揉めている」、とか、「遺産分割の話し合いが未だ済んでいない」といった親戚の愚痴などを聴いたことがありませんか?
遺産分け=揉め事というイメージがありますが、ほとんどの相続は円満に遺産分けをして終了します。もちろん中には、最高裁判所まで苛烈に争うこともありますが、それは例外中の例外。
多くの相続に関連する遺産分けは円満に解決しているのが実情です。
そのうえで、遺産分けと遺産分割とは何が違うのかといいますと、実のところ違いは全くありません。
しいてその違いを挙げれば、「遺産分割」は法律上の言葉ですが、「遺産分け」は法律に規定がある言葉ではありません。従って、法律家は遺産分けという言葉は滅多に使いませんが、葬儀社さんや遺品整理業者などのエンディングビジネスに関連する企業は「遺産分け」という用語を使う傾向にあるようです。
また、「遺産分け」という言葉が「形見分け」を連想させるので比較的少額の相続財産の場合に「遺産分け」と呼び、それ以外の場合には、「遺産分割」と呼ぶ場合もあります。
何れにしても、遺産分けと遺産分割との間には明確な違いはありません、というのが結論となります。
行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭