そもそもNPO法人は、公益(不特定かつ多数の利益)を目的として設立される以上、社員に資格の得喪については不当な条件をつけてはいけないとされています。
「資格の得喪」という難しい言葉が出てきましたが、社員となったり、社員を辞めたりという行動に不当な条件をつけてはダメですよ、ということ。
「不当な条件」の不当の意味はわかりますでしょうか?
「不法」はよく聞くけれども、「不当」はあまり馴染みがない方もいらっしゃるかもしれません。
「不法」は法律に違反すること。
「不当」は、一般に社会通念に反するとか、道義的に反するといった場合に使われる言葉です。
不当な条件を付けてはならないと定められているだけであって、一切の条件を付けてはならない訳ではありません。
不当ではない、正当な条件であれば付けても構わないのです。
現実に何が不当とされるか、正当とされるかは大変難しい判断が求められるところです。
「不法」であれば、比較検討するのが法律なので違反しているしていないが分かりやすいのですが、不当の場合は社会通念や道義なので不明瞭なのが事態を難しくしているのです。
法律が適用されるかされないかは一義的に判断されますが、社会通念上、道義上というのは環境や状況によっていかようにも変化します。
ですので判断が難しい。
一般に不当な条件とされやすいのは、社員の入会に際して理事の承認などの条件を付けること。
また、入会申請には理事の推薦が必要である規定もまた「不当な条件」とされる恐れがあります。
入会の条件が正当だとされるためには、様々な状況を勘案してその条件が合理的であると判断できる必要があります。
NPO法人の設立趣旨から考えて、その条件であれば入会を制限する方向でも合理的だろう、と判断されれば設立認証申請に支障がないことになるのです。
NPO法人設立認証時の定款の作り方は、個別具体的な判断が必要となりますで、ご不明の点等があれば当事務所にご相談ください。
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解決支援コンサルタント行政書士阿部隆昭