2026年7月14日更新
自筆証書遺言には、遺言者が氏名を自書するのが原則です。名字だけ、名前だけで本人を特定できるとして有効性が認められた古い裁判例はありますが、これから作る遺言であえて紛争の種を残す理由はありません。戸籍上の氏名をフルネームで書きましょう。
民法968条が定める基本
民法968条は、自筆証書遺言について、遺言者が全文、日付、氏名を自書し、押印することを求めています。財産目録についてはパソコン等で作成できる例外がありますが、その場合も目録の各ページへの署名・押印など、法定の方式を守る必要があります。
名字だけ・名前だけなら必ず無効か
過去には、表示の仕方や文書全体から遺言者本人であることに疑いがないとして、氏または名だけの記載でも有効性が認められた裁判例があります。ただし、これは方式の不備を推奨するものではありません。本人を特定できるか、遺言者の真意による文書かを、死後に相続人が争う余地が生まれます。
これから作るなら確認したい項目
- 年月日を特定できる形で自書する
- 氏名は戸籍上のフルネームで自書する
- 押印する
- 財産と受け取る人を特定できるように書く
- 加除訂正は民法所定の方式で行う
- 内容と方式の両方に不安があれば作成前に確認する
法務局の保管制度も選択肢
法務局の自筆証書遺言書保管制度では、申請時に方式の外形的な確認を受けられ、相続開始後の家庭裁判所による検認も不要です。ただし、法務局は遺言内容の法律相談を行わず、遺言の有効性を保証する制度でもありません。
一次情報:e-Gov法令検索「民法」、法務省「自筆証書遺言書保管制度」
自筆証書遺言の内容と方式を整理したい方へ
家族関係、財産、誰に何を残したいか、作成希望時期を具体的にお書きください。
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