行政書士阿部総合事務所

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最低賃金1500円「2030年代前半」達成へ——この方針、補助金申請に直結します

June 26, 2026
約 6 分
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補助金申請は「書類を作るだけ」ではありません。採択後の実績報告・返還リスクまで見据えた設計が必要です。
外国人雇用は、採用前の要件確認が最も重要です。入社後に発覚した問題は取り返しがつかないケースがあります。


今朝の日経新聞を開いて、まず目に飛び込んできたのがこの見出しだった。

「最低賃金1500円、30年代前半に」。

この報道を見て私が最初に思ったのは、「これは補助金の採択審査に影響する」ということだ。

政府が言っていることを、正確に読む

高市首相は最低賃金の全国平均1500円について、達成時期を「2030年代前半」と明示した。「遅くとも」という表現を使い、できる限り早期の達成を目指すとしている。成長戦略会議の開催も予定されており、単なる要請ではなく政策の骨格として位置づけられている。

政府の試算では、労働生産性が継続的に向上すれば2033年に1513円に達するとされている。前提は「生産性の向上」だ。賃金だけを上げるのではなく、稼げる体制を整えながら賃金を引き上げる、というロジックになっている。

補助金は「賃上げ」を既に織り込んでいる

補助金の世界では、賃上げ方針はすでに申請要件と採択審査に組み込まれている。

小規模事業者持続化補助金(第19回・第20回)を例に取ると、「賃金引上げ加点」と「賃金引上げ特例」の2つの仕組みが存在する。

賃金引上げ加点は、補助事業の終了時点において事業場内最低賃金を申請時より30円以上引き上げることを条件に、採択審査で加点される制度だ。達成できなければ補助金は交付されない。宣言に対して結果責任が伴う。

賃金引上げ特例はさらに踏み込んで、事業場内最低賃金を申請時より50円以上引き上げることを条件に、補助上限額に150万円が上乗せされる。より高い賃上げにコミットする事業者に、より大きな補助が下りる設計だ。

業績が赤字の事業者が賃金引上げ特例を選択した場合は、補助率が通常の2/3から3/4に引き上げられ、「赤字賃上げ加点」も自動的に適用される。「赤字だから賃上げできない」という事業者に対して、逆に手厚く支援する構造になっている。

賃上げを「義務」ではなく「戦略」と捉える

最低賃金の引き上げを、コスト増加の話としてだけ受け取っている事業者は多い。

だが、補助金制度の設計を見ると、政府は賃上げと生産性向上を一体のものとして捉えている。賃上げに踏み切った事業者を優先採択する仕組みは、「賃金を上げながら事業を伸ばせる事業者」を政策的に選別する意図が読み取れる。

「賃上げができない事業モデル」は、今後の補助金獲得でも不利になる可能性がある。

今の時点で考えておくべきこと

1500円という数字が「30年代前半」に向けて現実のものになるなら、それに向けた事業計画・賃金計画を今から逆算して設計しておくことが求められる。

補助金申請は、事業の計画と賃金の計画を同時に提出する場だ。「補助金をもらうための書類」ではなく、「経営の方向性を整理する機会」として活用している事業者が、採択率も高い。

今日の日経の一面は、補助金の採択審査の話と直結している。


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https://abeoffice.net/hojyokin/

「最低賃金1500円、30年代前半に」。「高齢者医療費、3割負担工程表を」。「産業用モーター省エネ基準引き上げ」。

一見バラバラに見えるが、中小企業・小規模事業者の経営という視点で並べると、一本の線が見えてくる。人件費が上がり、社会保障コストが上がり、設備の省エネ対応も求められる。経営環境は構造的に変わっていく。

その変化を「圧力」として受け止めるか、「補助金を活用する理由」として読み替えるか。今日はその話をしたい。

政府が言っていることを、正確に読む

高市首相は最低賃金の全国平均1500円について、達成時期を「2030年代前半」と明示した。「遅くとも」という表現を使い、できる限り早期の達成を目指すとしている。成長戦略会議の開催も予定されており、単なる要請ではなく政策の骨格として位置づけられている。

政府の試算では、労働生産性が継続的に向上すれば2033年に1513円に達するとされている。つまり前提は「生産性の向上」だ。賃金だけを上げるのではなく、稼げる体制を整えながら賃金を引き上げる、というロジックになっている。

補助金は「賃上げ」を既に織り込んでいる

補助金の世界では、賃上げ方針はすでに申請要件と採択審査に組み込まれている。

小規模事業者持続化補助金(第19回・第20回)を例に取ると、「賃金引上げ加点」と「賃金引上げ特例」の2つの仕組みが存在する。

賃金引上げ加点は、補助事業の終了時点において事業場内最低賃金を申請時より30円以上引き上げることを条件に、採択審査で加点される制度だ。達成できなければ補助金は交付されない。宣言に対して結果責任が伴う。

賃金引上げ特例はさらに踏み込んで、事業場内最低賃金を申請時より50円以上引き上げることを条件に、補助上限額に150万円が上乗せされる。より高い賃上げにコミットする事業者に、より大きな補助が下りる設計だ。

業績が赤字の事業者が賃金引上げ特例を選択した場合は、補助率が通常の2/3から3/4に引き上げられ、「赤字賃上げ加点」も自動的に適用される。「赤字だから賃上げできない」という事業者に対して、逆に手厚く支援する構造になっている。

社会保障コストの上昇も、経営計画に織り込む時代

今朝の紙面には、高齢者医療費の「3割負担」工程表を求める動きも報じられていた。

直接の話題は医療保険制度の改革だが、中小企業の経営者にとって無関係ではない。従業員の社会保険料負担は事業主が折半する。医療費の自己負担が変わるということは、従業員の手取りや生活設計にも影響が出る。賃金水準を考えるとき、給与の額面だけでなく、周辺コストの変化も視野に入れておく必要がある。

賃上げを「義務」ではなく「戦略」と捉える

最低賃金の引き上げを、コスト増加の話としてだけ受け取っている事業者は多い。

だが、補助金制度の設計を見ると、政府は賃上げと生産性向上を一体のものとして捉えている。賃上げに踏み切った事業者を優先採択する仕組みは、「賃金を上げながら事業を伸ばせる事業者」を政策的に選別する意図が読み取れる。

「賃上げができない事業モデル」は、今後の補助金獲得でも不利になる可能性がある。

今の時点で考えておくべきこと

1500円という数字が「30年代前半」に向けて現実のものになるなら、それに向けた事業計画・賃金計画を今から逆算して設計しておくことが求められる。

補助金申請は、事業の計画と賃金の計画を同時に提出する場だ。「補助金をもらうための書類」ではなく、「経営の方向性を整理する機会」として活用している事業者が、採択率も高い。

今日の新聞の一面は、補助金の採択審査の話と直結している。


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創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
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