行政書士阿部総合事務所

認定経営革新等支援機関(中小企業庁)

動物病院の補助金と賃上げ要件|パート・採用・退職があるときの確認

October 24, 2026
約 14 分
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—補助金申請は「書類を作るだけ」ではありません。採択後の実績報告・返還リスクまで見据えた設計が必要です。
—外国人雇用は、採用前の要件確認が最も重要です。入社後に発覚した問題は取り返しがつかないケースがあります。

申請前の条件|人員・賃上げ

制度情報の確認日:2026年10月24日

動物病院の補助金と賃上げ要件。パート・採用・退職の数え方と継続できる給与負担を確認する記事
記事の内容を伝えるための生成イメージです。実在の病院や受任事例の写真ではありません。

資金・購入条件・人員・契約・証拠を確かめる手順と、特定の制度例を分けて解説します。制度名・数値・日程がある箇所は確認日付きの例です。実際に利用する年度・公募回の最新条件を公式サイトで確認してください。

目次|気になるところから読む
  1. まず、3つの数字を混ぜない
  2. 新事業進出・ものづくり第1回では、パートと中途入退職をどう数えるか
  3. 計算例:3年後の目標と、3年間に増える支出は違う
  4. デジタル化・AI導入補助金は、第6次と第7次以降を分ける
  5. 院長が用意する資料は「給与総額」の1枚だけではない
  6. 病院で実行できる賃上げか、申請前に確かめたい院長へ

「給与を3.5%上げればよいのでしょうか」。補助金の賃上げ要件は、この一言では判断できません。給与の総額なのか、1人当たりなのか、最低賃金なのか。さらに、パートの勤務時間や年度途中の採用・退職で、計算に入れる人も変わります。

動物病院では、獣医師・愛玩動物看護師・受付等の構成や勤務時間が一様ではありません。申請画面に数字を入れる前に、誰の何を、いつと比べるかを確定する必要があります。

まず、3つの数字を混ぜない

似ているようで違う、給与の確認指標
指標見るもの動物病院での注意
給与支給総額定義された対象者へ支給する給与の合計採用で人数が増えるだけでも金額は変わる。何を給与に含めるかは制度別
1人当たり給与支給総額対象給与を、ルールに沿った従業員数で割る実人数で単純に割れない制度がある。途中入退職・短時間勤務も確認
事業場内最低賃金院内の最も低い賃金を、所定の方法で比較する病院全体の平均給与が上がっても、最低水準を満たすとは限らない

これらを一つの「賃上げ率」で代用しないことが重要です。役員報酬や福利厚生費を加えると計算が合う、という扱いもできません。

新事業進出・ものづくり第1回では、パートと中途入退職をどう数えるか

制度例として、2026年10月24日に確認した同第1回では、補助事業終了後の3〜5年計画について、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上を基本要件とし、事業場内最低賃金は毎年、地域別最低賃金より30円以上高い水準が求められます。基準年度は補助事業の終了時点を含む事業年度です。これ以外にも付加価値額等の要件があります。第1回公募要領(9月28日改訂)p.11〜13

同要領の給与算定では、全月分の給与を受けた従業員を対象とし、中途採用・退職で全月分の支給がない人は、その年度の算定から除きます。パートは正社員の就業時間へ換算します。産休・育休等による一定の時短勤務者を除外できる規定もあります。これは同第1回のルールであり、ほかの補助金へそのまま当てはめません。

申請前に照合したい、院内で起きる変化
院内の状況確認のしかた誤りやすい点
正社員と短時間パートがいる制度指定の勤務時間換算と、対象給与を対応させる在籍人数だけで割る
年度途中で採用したその年度に全月分の支給があるか確認する一度除外した人を翌年度も機械的に除外する
年度途中で退職したその人の給与と人数を、同じルールで扱う人数だけを減らし、給与は残す
残業が減った・勤務時間が変わった基本給以外も含め、制度上の給与と将来見込みを確認する基本給を上げれば指標も必ず上がると思う

たとえば、週40時間の正社員が1人、週20時間のパートが2人いる場合、時間換算の考え方は1人+0.5人+0.5人=2人相当です。実人数の3人で割る計算とは違います。実際の算定では、対象年度・対象給与と就業時間を該当要領に沿って対応させます。

新しいスタッフを雇うことや、残業を減らすことの是非を補助金だけで決めるのではありません。病院に必要な人員計画を先に置き、その計画で目標を達成できるかを試します。

計算例:3年後の目標と、3年間に増える支出は違う

制度上の対象給与が年1,200万円、算定上の従業員数が4人相当で変わらないと仮定します。1人当たりは300万円です。年平均3.5%で3年間増やす計算なら、3年後は300万円×1.035の3乗=約332.6万円です。

毎年同じ率で増やすと仮定した資金計画例(万円)
年度対象給与の合計基準年度より増える年間支出
基準年度1,200.00―
1年後1,242.0042.00
2年後1,285.4785.47
3年後1,330.46130.46

この仮定では、3年間の給与増加分は合計約257.93万円です。さらに事業主負担の社会保険等も資金面で確認します。制度の算定給与に含めない費用でも、病院が支払わなくてよいわけではありません。

表は支出を見通すための一定率モデルで、同第1回が毎年一律3.5%の引上げを要求するという意味ではありません。1人当たり給与の年平均成長率は計画最終年度との比較、事業場内最低賃金は毎年の確認です。申請で3.5%を超える目標を掲げた場合は、その目標を基準に達成を判定します。

また、同第1回では直近事業年度から基準年度にかけての「足下の賃上げ」も審査対象です。基本要件の3.5%だけを見て、ほかの審査・表明・報告・返還条件を省かないようにしてください。同公募要領p.12・44

デジタル化・AI導入補助金は、第6次と第7次以降を分ける

第7次以降・通常枠の1人当たり給与の要件の分岐(原則。金額は補助金の交付申請額)
2022〜2025年の交付決定歴150万円未満150万円以上
なしこの給与成長率の必須要件はなし年平均3%以上
あり年平均3.5%以上年平均3.5%以上

適用除外の規定、最低賃金等の別要件、加点の条件は別途確認が必要です。この表だけで申請可否は判定できません。第7次以降・通常枠公募要領p.35〜36

院長が用意する資料は「給与総額」の1枚だけではない

給与・賞与台帳、入退職日、雇用形態、所定労働時間、勤務時間の変更、所在地、過去の交付決定歴を確認します。そのうえで、基準年度と比較する年度を置き、対象者と給与項目をそろえます。最初の相談では、個人名を含む台帳を一括送付せず、人数・勤務形態・予定する採用等の概要からで構いません。

「補助額が大きいから高い賃上げ目標を選ぶ」のではなく、診療収入、採用、設備導入の効果から続けられる数字かを確かめます。未達時の取扱いには返還規定と例外があるため、「未達なら必ず全額返還」「採用したから必ず免除」といった一律の理解は避けてください。

病院で実行できる賃上げか、申請前に確かめたい院長へ

行政書士阿部総合事務所の行政書士・阿部隆昭が、適用する公募回と給与・人員計画を照合し、どの数字を目標に置くべきか、何年分の負担を見込むか、申請計画と現場の運営が食い違っていないかを院長と検討します。採択後の報告も見据えた申請準備を支援します。

賃金規程や労働条件、社会保険、税務の個別判断は、社会保険労務士・税理士等の担当領域と区分します。検討中の制度、常勤・パートの人数、採用等の予定をお知らせください。対応範囲・費用は確認後にご案内します。

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行政書士阿部隆昭

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創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。

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