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行政書士試験対策|民法|後見|司法書士試験H23-4

 

平成23年司法書士試験第4問民法「後見、保佐又は補助」

後見、保佐又は補助に関する次のアからオまでの記述のうち誤っているものの組み合わせは後記1から5までのうち、どれか。

ア 成年被後見人が日用品の購入をした場合には、成年後見人はこれを取り消すことができるが、被保佐人が保佐人の同意を得ないで日用品の購入をした場合には、保佐人はこれを取り消すことができない。

イ 成年後見人は、成年被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について成年被後見人を代表するが、保佐人は、保佐開始の審判とは別に、保佐人に代理権を付与する旨の審判があった場合に限り、特定の法律行為についての代理権を有する。

ウ 精神上の障害により、事理を弁識する能力を欠く常況にある者の四親等の親族は、その者についての後見開始の審判の請求をすることができるが、当該能力が不十分である者の四親等の親族は、その者について補助開始の審判の請求をすることができない。

エ 被保佐人が贈与をする場合には、保佐人の同意を得なければならないが、被補助人が贈与をする場合には、贈与をすることについて補助人の同意を得なければならない旨の審判がなければ、補助人の同意を得ることを要しない。

オ 配偶者の請求により保佐開始の審判をする場合には、本人の同意は必要ないが、配偶者の請求により補助開始の審判をする場合には本人の同意がなければならない。

 

1、アイ 2、アウ 3、イエ 4、ウオ 5、エオ

解答が閃いた方は→

 

 

どこからいきましょうか。

判定スピードが速そうな「日用品の購入」という文字があるアから。

第9条(成年被後見人の法律行為)
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

日用品ぐらいは本人が単独で買えるようにしようよ、という趣旨の9条。
知っていれば、まず前段が誤りであることがわかります。「取り消すことができる」と問題文は言っていますので。この時点で後段を検討することなくアの肢は誤り。
したがって、すでに1か2の二択です。

そうなった場合は、イかウを検討しちゃえば解答だせますね。

ちなみにアの肢の後段部分は正しいです。
保佐人の取消権は13条4項にあるとおり同意を得なければならない行為(原則は13条1項ですね)なのに、同意しないでしてしまった場合だけです。ここには日用品の購入は該当しないので、保佐人は日用品の購入を単独ですることが可能です。

 

第13条(保佐人の同意を要する行為等)
被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。
2 家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

 

 

では、「イ」の肢です。

「代表する」なんて言葉が見えますが、条文の置かれているところは民法のうしろの方。

第859条(財産の管理及び代表)
後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。
2 第824条ただし書の規定は、前項の場合について準用する。

前段部分は条文のママなので正しいです。
後段部分はどうでしょう。後段が誤りであれば、肢としては1で決定。そうでなければ2で決定。

いずれにしろ、後段次第で次の問題にとりかかることができます。

「審判があった場合に限り」となっているので、保佐人って原則代理権があるの?ないの?どっちなの?って試験委員に聞かれちゃってます。

被保佐人ってどうなんでしたっけ?
被後見人だったら、基本、全面的に後見人に取消権が付与されています。本人を保護する必要性がありますもんね。
被後見人によりも判断能力がある被保佐人だったら。
基本的に単独で有効な法律行為が出来るんだけど、重要なもの(上記の13条1項などですね)については、同意を得て法律行為をしてください。
という建て付けになっています。

といっても、条文どおりの肢なので知っている方には瞬殺ですね。

第876条の4(保佐人に代理権を付与する旨の審判)
家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2 本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 家庭裁判所は、第1項に規定する者の請求によって、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。

ということでイは正しい肢。
なので、この問の正解は2でした。

ちなみにウは条文どおりでハッキリ×。
補助開始の審判が出来ない→「できる」が正しい。
参考までに。

第7条(後見開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

第15条(補助開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第7条又は第11条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。
2 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助開始の審判は、第17条第1項の審判又は第876条の9第1項の審判とともにしなければならない。

 

ちょっとイヤラシイのが「エ」の前段かしら。

「被保佐人が贈与をする場合には」となっています。
贈与をする、ってことはモノを差し上げる方ですよね。
第13条(保佐人の同意を要する行為等)
被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。

ということは、単純な贈与(負担付きではないという意味)を受けることについて、保佐人の同意はいらないということになります。
問題文の場合には、贈与をする場合なので条文に該当するパターン。なので同意が必要。前段は正しい。
後段の補助人のケースは条文どおりということで。
第17条(補助人の同意を要する旨の審判等)
家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第13条第1項に規定する行為の一部に限る。
2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

 

最後にオですね。
申立の請求権者として配偶者ってどうなのよっていうことですが。
本人からみて、奥さんや旦那さんといったより深い関係性のある者から申立がされたら本人の同意が必要になるパターンでもそれがいらないんだっけ。
といったような試験場で惑わすタイプの変化球ですね。

補助人っていえば三類型の中ではもっとも判断能力がある人。本人が知らないうちに申立されちゃ困りますよね。
ここで本人=配偶者となる訳もない。奥さんから申し立てられちゃ本人の同意があったのと同じもの、とならんですよね。

条文どおりなので一応。

第7条(後見開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

第15条(補助開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第7条又は第11条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。
2 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助開始の審判は、第17条第1項の審判又は第876条の9第1項の審判とともにしなければならない。

この「オ」の肢って、最初の「ウ」で×をつけた人に対して、×としてオを選択させたかったのかな。

そしたら、解答は4にマークさせると。

 

 

 

 

 

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