本日、平成28年2月12日、東京都北区内の就労移行支援事業所で開催された、
『精神障がい者などの「親なき後問題」の解決策としての任意後見制度』講座
の講師として登壇してまいりました。
昨年来、施設の方と打合せを重ねてきた大切なイベントです。
参加者は、その事業所で就労移行のトレーニングをされている方、20数名。
難しい内容にもかかわらず、最後まで熱心にお聴きいただき、途中休憩や講座終わりに質問も頂きました。
伝えたかったのは、
親なき後問題は誰にでも直面する可能性があるということ。
ですが、徒に不安を強調するのではなく、解決策は必ずある、ということを知って欲しかったのです。
「必ず」解決策があるかないか、で言えば、もしかしたら無いのかもしれません。
しかし、大切なのは、
助けが欲しいときに、助けて欲しい、と手を挙げること。
どうせ誰も助けてなんかくれない、
と諦めた瞬間、助けの手がやってこないことが確定してしまいます。
例えば、誰かに将来のことを相談したとき。
その人から満足のいく回答がないかもしれません。
でも、ここで諦めてはダメなんです。
役所をたらい回しにされることもあるかもしれませんし、
相談を受けた方がたまたま専門外だったかもしれません。
助けの手はどこかにあるはずなので、それを探しましょうとお伝えしました。
もう一つ伝えたかったのは、
精神障がい者の方々にとって、社会性を保つことの大切さ。
親なき後問題対策でもっとも時間がかかるのは、親の代わりになる相談相手を見つけること。
完全に親の代わりになる人とまでいかなくても、真剣なことを相談できる相手を見つけて欲しい。
といっても、すぐに親の代わりになる人なんて現れません。
今日から、お前の相談相手、俺な!
というわけにはいかんのです。
なんども食事行って、一緒に遊んだり、いろいろ深い話しもするうちに、
なんとなく馬が合いそうだな!、こいつとは。
という関係になる。
親なき後問題対策でもっとも大切なのは、この親の代わりになる相談相手を見つけることなのです。
そのためには、家に引きこもっているのではなく、どうしても外に出て人と触れ合うことが必要。
もちろん、人との関わりを持つということは、同時にトラブルを引き受けるということにも繋がります。
万事円満な人間関係など、どこの世界にもありません。
行き違い、意見の相違、
そんなことで傷ついてしまうのではなく、
強い人間関係を作るために社会に出ようと伝えました。
今回はたまたま縁あって精神障がい者の方々の前でお話しさせて頂きました。
精神障がい者のご本人向けの「親なき後問題講座」だけではなく、
精神障がいのお子さんを持つ親御さん向けの「親なき後問題講座」も準備しております。
親御さん向けの講座では、任意後見制度を始め、家族信託を利用した精神障がいのお子さんの保護についても説明すること出来ます。
精神障害者施設の関係者の方で講座開催のご要望が御座いましたらご連絡下さい。
出張して講義させていただきます。
行政書士阿部総合事務所
行政書士阿部隆昭