埼玉りそな銀行のリポート 埼玉りそな銀行経済情報2015年8月号
http://www.sarfic.or.jp/report/pdf/resona08.2015.pdf
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5ページ目から始まる地域研究レポート「地方創生における事業引継ぎ・事業承継対策」
倒産が減少しているにもかかわらず、休廃業・解散があまり減少しない要因はどこにあるのだろうか。
一つには、環境の変化に対応できない事業者及び、規模が小さいと、経営そのものが成り立たなくなってきている業界の事業者が、経営的に余力がある間に自主的な廃業等を選択するケースがある。
もう一つが、経営者が高齢化し、後継者が不在なため事業の継続が困難となり、廃業等を選択するケースである。中小企業等では、少子化などの影響により子どもやその他の親族を後継者として確保することが困難となってきており、事業の引継先を社外に求めるニーズが高まっている。
経営者(株式会社・有限会社の経営者)の平均年齢は年々上昇しており、次世代への事業の引継ぎがスムースに進められていない環境になりつつある。
結論としての休廃業は同じでも、そこに至る原因は二つ考えられると。
経済環境の変化に対応できない。
後継者不在
つまり、この二点の対策を執ることができれば休廃業率が下がるということ。
問題となるのは、企業や事業としての価値や必要性があるにも関わらず、止むを得ず自主的な撤退を余儀なくされてしまうことであり、社会的・経済的、そして地域としての大きな損失となることである。
事業の引継ぎ先を見つけ出すことが可能であれば、雇用の維持や地域の活性化に貢献することができるはずである。
企業価値があるにもかかわらず、後継者不在の理由で休廃業になってしまうことは確かにあらゆる意味で損失ですよね。
だって、価値があるものがゼロになってしまうわけですから。
このあたりが前者の事情による休廃業とは違うわけです。
そういった事情があるならば国としても放っては置けない、ということで乗り出したのは公的に事業承継をサポートすること。
公的機関が支援するといっても、WEBサイトの「支援プロセス」を見るかぎり、窓口になるのは確かに公的機関である支援センターですが、現実に支援するのはセンターに登録しているM&A専門企業のようです。
※で小さく書いてありますが、M&A支援会社と契約するともちろんそれなりの手数料が発生します。
また、最終的には登録しているM&A支援会社の判断による部分が大きいはずですから、窓口となる支援センターでも早く支援会社に案件を任せたい、といった状況になる可能性もあります。
そうなると、自分でM&A専門企業を探す手間が省けるだけのためだけにある公的機関といった位置づけでしょうね。
民間機関では取り組めないような小規模な案件のご相談やM&Aを実行する際のセカンドオピニオンとしても、是非、当センターをご活用頂ければと思っております。
「小規模案件だから民間機関では取り組めない」といった事情はあまりないと思いますが、セカンドオピニオン的に利用できるのは確かにありがたいですね。
一口に事業承継といっても、切り口や想定する絵姿はさまざまです。
周辺状況を全てヒアリングする必要があるために、相談時間も長時間になることが多く、相談料も高額になりがちです。
専門職にも引き継いでくれるようなので、事業承継に悩む経営者の最初の相談先としては有用だと言えそうです。