混合介護、東京・豊島区で解禁へ ~家族向けサービスも一体提供
介護保険と保険外サービスを組み合わせる「混合介護」が2017年度中にも東京都豊島区で解禁される見通しとなった。地域限定で規制緩和する国家戦略特区の制度を活用し、豊島区が月内にも事業計画をまとめ、国に提案する。実現すれば全国で初めてとなる。介護と一体的に多様な業務を認め、職員の賃金や生産性の引き上げにつなげたい考えだ。
混合介護とは、介護保険の中で行われるサービスと介護保険の外で行われるサービスをあわせて提供すること。
身近にデイサービスや訪問介護などを利用している方がいないと、何のことやらさっぱり分からないですよね。
私もこの仕事をするまでは介護保険内のサービスと介護保険外のサービスとに分かれていることさえ知りませんでした。
私の母が退院してきたときに在宅介護サービスの相談をしようと思ったこともあったのですが、利用を検討する間もなく亡くなってしまったのでその機会もないままです。
介護保険外のサービスというと、訪問介護の例で言うとですね。
利用者本人以外のものに関する洗濯や調理、買い物などが挙げられますね。
利用者っていうのは、介護保険サービスを利用する人なので、高齢者などの方のこと。
「以外」ということなので、高齢者以外の人向けのサービスなんですね。
普通は、利用者さんと一緒に暮らしているご家族。
つまり、利用者さんの家族向けのサービス(他にもあるのですが、まあとりあえずはそう考えて頂いても大丈夫)ということです。
これらの介護保険外サービスは、利用者の全額負担であって、利用料は介護サービスを提供する事業者が自由に決めることが出来るのですね。
ということは、悪いことを考える事業者さんがいたとしたら、介護保険外サービスを無駄に提供することによって、あるいは高価格のサービスを提供することで事業収益アップを図ろうとするでしょう。
ただ、株式会社、合同会社などの営利法人が行っている事業である以上、 業績向上を図ることは悪いことでもなんでもありません。むしろ必要なことですね。
現在、実質的に介護現場で行われている混合介護サービスは、いわゆる「上乗せ」、「横出し」と言われるように介護保険内と介護保険外とが明確に線引きされていないのが問題とされていました。
利用限度額の上限回数を超える利用や時間外利用などの「上乗せサービス」、配食サービスや緊急通報サービスなどの「横出しサービス」などを明確に区分することは、利用者を守るためにも必要なことです。
そこで、混合介護推進を表明している小池百合子東京都知事の地盤だった豊島区が手を挙げたという格好のようですね。
介護業界もビジネスチャンスと捉えて様々な施策を打ち出してくるでしょう。 利用者保護のために参入する事業者の規制を設けるとのことなので、利用者側としては注意深く見守っていきたいですね。
豊島区在住の方ではありませんが、私が補助人として支援している高齢者にも関係してくること。
遺言や相続などの法律知識だけではなく、高齢者福祉全体を把握することでより良いサービスを提供させて頂いております。
解決支援コンサルタント 行政書士阿部隆昭