誰を代表取締役にするのか?
発起人が複数名いる株式会社設立の場面でよく問題になります。
会社法上は、取締役の全員を代表取締役にすることができますし、取締役となった以上、代表取締役になりたいと思っている方も多い。
社長として対外的に代表するのは、登記簿上の代表取締役になります。
不動産などの重要な財産の取引の場面になりますと、いくら形式上の代表取締役といっても、会社実印を押せるのは代表取締役だけですので、当然ながら誰よりも重要なポストになるのです。
専務取締役だろうが、常務取締役だろうが、代表取締役よりも人脈があって仕事も出来る取締役が何人いても、代表取締役が会社の実権を握っているといえます。
だから発起人として会社を設立した以上、全員が代表取締役になりたいのです。
会社法上も制限されておらず、取締役の全員を代表取締役とすることが出来る。
なのに、なぜ多くの中小企業が代表取締役を1名としているのでしょうか?
一つの理由が、
複数の代表取締役が存在すると、代表権の存在が不明確になるから。
代表取締役といえば、会社の顔とも言われています。
私たちが会社と取引をするときには、”社長は誰?”ということが気になります。
社長である代表取締役が複数いるということは、会社の顔がいくつもあるということ。
取引相手からすると、誰を相手に話しをすれば良いのか不透明ですし、
現実に取引をしようとしたらその事業部門を取り仕切っている代表取締役は別の人間だった、ということも耳にしたことがあります。
といっても、巨大企業でしたら会社の顔である代表取締役が数名存在するのはむしろ普通。
パナソニック㈱の代表取締役は12名います。
担当領域がWEBサイトに挙がっているので、取引先は安心です。
その中でも、代表取締役社長とされているのは一名。
担当領域が空欄、つまり領域がないので全ての領域を担当しているということ。