逆張りの内容をあえて、と思っているわけではありませんが、「週末起業」という言葉、起業の形態には以前から疑問符がありまして。
たまたま起業支援系の公的機関の記事を読んでいましたら、退職してから起業するよりも大幅にリスクを軽減できるということで週末起業を間接的に推奨する内容になっていました。
大幅に軽減できる「リスク」とは何かというと、「倒産」「借金」「固定収入を失うこと」「安定した生活を失うこと」、らしいです。
倒産もしない。
借金も負わない。
固定収入を失わない。
安定した生活も維持できる。
にもかかわらず、「起業」できるなんて!
起業したい方にとってノーリスクの素晴らしい選択肢のようにも思えますがどうでしょうか?
週末起業は、起業「体験」や、「模擬」起業なのであって、起業ではないという大前提で話を進めますと、2つの点に置いて週末起業は大きなリスクを裏で抱えていることになります。
1、売上が立たない。
その人でなければならない、といったような革新的で新規性の高いサービスを提供できる場合は別ですが、ほとんどの場合、週末起業で取り組むサービスは他の先達がやっていますよね?
全く同じでないにしろ、似たようなサービスはありますよね?、たくさん。
その他者と比較された場合、週末起業者のサービスは選ばれるのでしょうか?ということ。
専業ではない、会社勤めの傍で行なっているとなれば、業務に対する専門性は低いと判断されるでしょう。
週末しか稼働しないのであれば、平日昼間の打ち合わせにも支障があるでしょう。日程調整にもクライアントの「ご好意」に頼らざるを得ない場合があります。
そういった事情を覆してまで依頼するという場合には、多分に属人的な関係性頼みになりがち。それでももちろん良いのですが、サービスの拡がりの速度はそうでない場合と比較して圧倒的に劣ることになるでしょう。
これって、明らかにリスクなんだよなあ。
2、経験を積めない。
起業は座学だけではどうにもなりません。実際に走り出してから、取り組む仕事を通して学ぶことがたくさんあり、そのどれもが重要なもの。
週末しか稼働しないサービスでは、当然ですが、仕事の絶対量は少なくなります。片や週7日動いているサービスがあるのに、自身は出来て週2日なのだから。
必然的に、仕事から学ぶことができる機会が少なくなります。
つまり、事業主として成長するスピードが遅くなるわけ。
これも、人生の残り時間と引き換えにしているという意味で取り返しのつかないリスク。
ノーリスクばかりでウハウハと説明されることが多い「週末起業」
理解した上で、「週末起業」を選択されるのであれば全く問題ないと思います。
それも一つの選択。
創業支援を業とするからには、週末起業の「リスク」を説明したうえで、週末起業の提案をしないとダメだと思うんですよね。
行政書士阿部隆昭が代表を務める合同会社コノチカラでは、創業に関する相談を随時承っています。
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解決支援コンサルタント野獣系行政書士阿部隆昭