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【実務徹底解説】「知らなかった」では済まない!外国人アルバイトの“週28時間”問題の対策と背景。|行政書士阿部総合事務所

February 15, 2026
約 6 分

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前回の記事「不法就労助長と企業の継続性──「外国人の問題」で終わらない実務リスク」では、不法就労助長罪が企業の存続(ゴーイング・コンサーン)にいかに深刻な影響を与えるかを解説しました。

不法就労助長と企業の継続性──「外国人の問題」で終わらない実務リスク

その中で、現場の担当者が最も頭を悩ませ、かつ「うっかり違反」が起きやすいのが資格外活動の「週28時間ルール」です。

今回は、このルールの技術的な盲点に加え、統計データから浮き彫りになる「留学生の現実」と、企業が取るべき防衛策について深掘りしてみましょう。


1. まず押さえるべき制度の骨格

資格外活動許可(包括許可)の基本は、「1週について28時間以内」です。
また、教育機関の長期休業期間については、「1日8時間以内」の扱いが示されています。

さらに重要なのは、労働時間は勤務先ごとではなく、複数事業所の合算で管理されるという点です。
つまり、自社だけで見て適正でも、他社勤務分を含めると上限を超える可能性があります。


2. 実務で見落としやすい「週」の扱い

企業実務では「給与締め週(月〜日など)」で管理したくなりますが、資格外活動の時間管理はそれだけでは安全とは言えません。
出入国在留管理庁の就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項についてQ&A資料では、「どの曜日から1週を起算しても28時間以内」で管理する考え方が示されています。

このため、実務上は次の発想が有効です。

  • 給与計算上の週管理は維持する
  • それに加えて、任意の連続7日間でも28時間を超えないかを点検する

この二層管理にするだけで、監査・更新・社内説明の精度が大きく上がります。


3. 「ダブルワーク」を前提にしない管理は機能しにくい

資格外活動の上限管理で難所になるのは、他社勤務時間の把握です。
ただし、制度上は合算管理が前提であり、「自社分だけ見ていた」では運用として弱くなります。

厚労省系資料でも、就労可否の確認をせず雇い入れることの危険性や、罰則リスク(不法就労助長に関する罰則)について明示されています。

実務ポイント
「本人申告に任せる」だけでなく、①副業・兼業の申告、② 週次の労働時間確認、③ 記録保存をセットで運用することが、企業防衛として現実的です。


4. 統計が示す現実――“例外的な論点”ではない

JASSO(日本学生支援機構)の令和3年度調査概要では、私費外国人留学生のうちアルバイト従事者は67.0%とされています。
つまり、留学生アルバイトは一部の特殊ケースではなく、広く起こりうる雇用形態です。

現場で起きる管理課題を「個別事情」と片づけるのではなく、平時の人事労務設計に組み込むことが必要です。


5. 「28時間」と生活コストのギャップを、企業はどう読むか

東京都最低賃金は、令和7年10月3日以降1,226円です。

この単価で、上限いっぱいの就労(週28時間)を単純試算すると、
1,226円 × 28時間 × 52週 ÷ 12か月 = 約148,755円/月(概算総支給)
となり、目安はおよそ月15万円です(税・社保等控除前)。

この数字は、企業側に二つの示唆を与えます。

1、生活費を背景に、本人が勤務時間を増やしたい動機は自然に発生しうる

2、だからこそ、現場実務に寄せる他の視点として、入管法令を遵守する組織体制が必要


6. 企業が「今日から」実装できる運用設計

① 採用時の確認を定型化する

  • 在留カード原本確認(資格外活動許可欄を含む)
  • 在留期限の確認
  • 労働条件通知書の交付
  • 兼業(ダブルワーク)有無の申告書取得

② 週次チェックを仕組みにする

  • シフト作成段階で28時間にアラート
  • 実績確定時に再点検
  • 連続7日間管理の確認欄を設置

③ 長期休業期間は「証拠付き」で扱う

  • 学校の学年暦・公式カレンダーを保存
  • 長期休業の適用期間を社内で明示
  • 1日8時間運用の適用日を記録化

④ 例外時のエスカレーションを先に決める

  • 超過懸念が出た時点で人事責任者へ即連絡
  • 本人ヒアリング→シフト停止/修正→記録保全
  • 再発防止の社内共有までをワンセット化

7. 刑事・行政・採用運用を分けて考えない

不法就労助長に関しては罰則規定(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)が示され、確認を怠った雇用は危険である旨も公的資料で周知されています。

ここで実務上重要なのは、単に「罰則がある」ことではありません。
確認していたか、管理していたか、記録が残っているか――この3点が、後の説明可能性を左右します。
企業防衛の本質は、制度理解だけでなく、運用の再現性にあります。


まとめ:共生の前提は、制度適合を継続できる運用にある

外国人材の活躍を真摯に考えるのであれば、「採用できるか」のほかに「適法に働ける状態を維持できるか」を同時に検討する意識が必要です。
企業の信頼、採用継続、在留手続の円滑化に直結する、経営管理のテーマです。

行政書士阿部総合事務所の外国人雇用コンサルティング

行政書士阿部隆昭

行政書士行政書士阿部隆昭
創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。