たまに聞かれることがあります。
「なぜビザ申請を業務とするのか?」
といったことを。
本当は、もっともっとざっくばらんな表現で聞かれますが、まあ、そこはさておき。
行政書士だからといって、全員がビザ申請を業務としている訳ではありません。
行政書士の中でもビザ申請を業務としようと思い、入国管理局(今は出入国在留管理庁ですね)の研修を受けて「申請取次資格」を取得した行政書士だけがビザ申請を業務としています。
私、行政書士阿部隆昭が申請取次資格を取得したのは開業二年目ぐらいだったかな。
行政書士阿部総合事務所として立ち上げた当初は、遺言書作成などの終活関連業務がメイン。
なのですが、なるべく広く業務を捉えたかったので、受任できる業務は可能な限り受任していました。
この姿勢は今でも同じ。
変わっていない。
使うか分からなかったけれども、研修を受けて申請取次資格を取った。
取ったけれども、実際にビザ申請を行ったのはその数ヶ月後。
今では、派遣会社の外国人雇用の顧問業務をさせてもらうほど知見を積んだけれども、当初は飲食店のコックさんを外国から呼び寄せる仕事。
しかも格安の報酬で。
それからしばらくして、実はビザ申請の仕事は中断していた。
行政書士が陥るビザ申請業務の負の場面が見えてきたから。
ところが、あるとき受任したビザ申請業務によって考え方が180度変わってしまった。
ある外国人を雇用した企業が自分勝手に申請したビザ申請によって、その外国人の経歴にキズがついてしまい、結局ところその外国人は本国に帰国しなければならなかった。
もちろん悪意があって申請したのではないのだけれど、結果的にはその外国人が目指していた日本での就労という目的がその申請をキッカケとしてフイになってしまった。
外国人、日本人、ともかく、一人の人生が自分の思いもよらないところで見失うのはよくない。
それがあらかじめ防げるのであればそれはそのほうがいい。
そして、それが自分にもできるのであれば、それはやろう。
そう考えた。
思えば、申請取次資格を取得したときは、そんな想いは全くなかった。
単なる、収益確保の一手段として捉えていたからなあ。
今現在の外国人雇用支援のスタンスは、外国人の権利保護、それに採用する企業の業績向上のために、それらの二点のバランスを考えている。
自分で言うのもあれだが、企業側、外国人側の双方の視点を持ち合わせている行政書士は少ない。
たまたま当職は創業支援業務を行っており、創業セミナーをはじめ、補助金セミナーやマーケティングセミナーに登壇するなど、企業支援業務も積極的に行っている。
実務家としてそう実績を重ねてきた。
行政書士である限りは、ビザ申請業務をライフワークとして行っていきたい。
行政書士阿部総合事務所代表行政書士阿部隆昭