先日、ある入管職員の方と別件でお話ししていたときに、永住許可の要件緩和について話が及びまして。
普通に在留している外国人が10年で永住権を取れるところが、ある条件を満たすと、それが1年で永住許可をもらえるようになったと。
この改正は、外国人の中ではとても大きなインパクトを持って迎えられています。
私が知っている永住者は、10年間頑張って頑張って努力して永久権を取った方です。
それがたったの1年なんて短すぎますよね。
外国人の方が永住権を何故欲しいかといいますと地位が安定するから。
他にも、就労制限がなくなるのが大きいですよね。
原則外国人が日本に就労ビザで在留するには、その在留資格とマッチングしたお仕事でないといけないわけです。
しかし、永住者であれば原則どのような労働でも許されます。
ですので、外国人雇用を検討している事業者は、在留カードを外国人から見せてもらったときに安心するわけですね。
ビザの変更手続きが必要ありませんから。
さて、1年で永住権が取得できる外国人はどのような方かというと、高度専門職で80ポイント以上を取っている方
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan_nyukan50.html
(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ 1年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令
に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。
逆から言えば、最短で永住権を取るためには高度人材外国人となって80ポイント以上取ればいいだけです。
が、この高度人材外国人となるにはとても厳しい要件があります。http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_3/pdf/h29_04_point-hyou.pdf
外国人留学生や、外国人雇用を検討している経営者の方は、このポイント表を一度は見ておくといいですよ。
高度人材のポイントを取るためにはざっくりいうと3つの要件があります。
1.若い
2.年収が多い
3.学歴が高い
ポイントのボリュームが多いのは以上3つなんですね。
そして、外国人雇用を検討している方はここからが大切なところですが、高度人材を雇用して永住権を取ってもらうと就業の種類についての制限が原則不要になります。
若くて学歴が高い外国人を雇用することにより、永住権の要件を早期に満たし、永住者となってくれることで会社の中のどの部門でも働くことが出来ます。
人文知識国際業務分野の事務所で入社したとしても、永住権を取ってしまえば、工場現場の作業にも従事することができます。
なぜなら、永住者には就労の種類の制限がないから。
もちろん会社それぞれの事業があるので、そのままストレートに当てはまる事案は少ないかもしれませんが、平成29年4月からは以上のような状況になっていることだけは知っておいて損はないですよ。
解決支援コンサルタント行政書士阿部隆昭