補助金と外国人雇用に強い行政書士阿部総合事務所

認定経営革新等支援機関(中小企業庁)

永住者の「取消事由」新設と、受け入れ先企業に求められる運用実務とは?|行政書士阿部総合事務所

January 26, 2026
約 5 分

行政書士阿部総合事務所主力サービス概要

ビザ・在留資格手続き

経営管理・技人国・特定技能など、企業向けの在留資格について、採用前の「どのビザが使えるか」という段階から許可取得まで一気通貫でサポートするサービスです。業務内容のヒアリングを通じて会社の実態に合った申請書を設計し、更新・変更手続きや在留カード取得後の相談にも継続して対応します。

補助金申請サポート

新事業進出補助金・ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金など、 すでに使いたい補助金の候補がある企業向けの有料支援実務サポートです。
事業計画のブラッシュアップから申請書作成、電子申請、採択後の実績報告まで、 行政書士がワンストップで伴走します。

補助金ドクター
powered by LDAM

「補助金ドクター」は、行政書士阿部隆昭が開発した LDAM(LinkDrive by Abe Method)診断エンジンを用いて、 御社の業種・従業員数・所在地から、 今使える可能性の高い補助金と今後の経営改善のヒントを コンパクトに整理するオンライン診断サービスです。

創業・起業支援、セミナー講師

事業計画書策定、創業融資、助成金、会社設立、許認可取得までトータル支援。商工会・自治体などの講師実績も豊富です。


―― 該当しても“即取消し”ではないが、人事管理は確実に変わる

はじめに|「永住者だから安心」という前提が揺らいだ

2024年の法改正を受けて、
「永住者にも取消事由が新設された」という情報が企業側にも広がっています。

人事担当者として真っ先に浮かぶのは、

該当したら、突然在留資格が取り消され、雇用継続ができなくなるのではないか

という不安でしょう。

しかし、出入国在留管理庁が公表している永住許可制度の適正化Q&A(Q12)を読むと、
この点は比較的はっきり整理されています。

結論から言えば、
「取消事由に該当=直ちに取消し・出国」ではありません。


結論整理|取消事由に該当しても“原則は資格変更”

法務省Q&A(Q12)では、次のような運用方針が示されています。

  • 取消事由に該当した場合でも
    直ちに在留資格を取り消して出国させることを基本とはしない
  • 一定の場合を除き、
    法務大臣の職権で「永住者以外の在留資格」への変更を許可する

これは企業側にとって重要なポイントです。
「即・雇用不可」という単純な話ではなく、移行プロセスが制度上想定されているということを意味します。


多くの場合は「定住者」へ|雇用継続の余地が残るケース

在留資格を変更する場合、
どの資格になるかは 本人の在留状況・生活状況・活動内容を踏まえて個別判断されます。

そのうえでQ12では、

多くの場合、「定住者」の在留資格を付与することになる

と、かなり踏み込んだ説明がされています。

企業実務の観点では、

  • 就労自体が直ちに全面禁止されるケースが多数派ではない
  • 「どの資格に移行するか」「その資格で現在の業務を継続できるか」が検討軸になる

と整理しておくのが現実的です。


例外|企業側も無関係ではいられない「取消し方向」のケース

一方で、Q&Aは明確に例外も示しています。

たとえば次のような場合です。

  • 今後も公租公課(税・社会保険料等)を支払う意思がないことが明らかな場合
  • 犯罪傾向が進んでいる場合

このように
「引き続き日本に在留することが適当でない」と判断されれば、
在留資格変更ではなく、取消し方向になる可能性があります。

ここで重要なのは、
単なる一時的ミスよりも、態度・意思・継続性が見られている点です。


制度背景|なぜ今「永住者」が見直されたのか

今回の論点は、「永住者を厳しくする」という単純な話ではありません。

法務省は、
令和6年改正を「永住許可制度の適正化」と位置づけています。

国会審議(衆議院法務委員会)でも、

  • 永住という安定した地位があるからこそ
  • 故意に公租公課を支払わないケースを是正する必要がある

という説明がされています。

つまり、
「生活・社会参加の前提が崩れた場合のセーフティ調整」
という制度趣旨を理解しておくことが重要です。


企業実務の要点|人事担当者が押さえるべき3つの視点

1.問題は「未納」そのものより「対応姿勢」

Q12の文言から読み取れるのは、
「うっかり」や一時的事情よりも、説明・是正・再発防止の姿勢が重視される点です。

企業としては、

  • 問題が起きたときに
    放置されていないか
    相談・修正の動線があるか

を支援できる体制が、結果的に雇用リスクを下げます。


2.永住者こそ「期限管理以外」の管理が盲点になる

永住者は在留期限更新がありません。
そのため現場では、

  • 在留カードの期限管理は不要
  • 結果として、人事のチェックが薄くなる

という構造が起こりがちです。

実務上は、次のような軽い仕組み化が有効です。

  • 年1回の簡易セルフチェック(税・社保・住所届出など)
  • 困窮時の相談導線(分納・猶予制度の案内)
  • 問題発生時の
    「説明 → 是正 → 記録」の社内ルール統一

これは監視ではなく、雇用を守るための予防線です。


3.在留資格変更後を見据えた雇用設計

仮に「定住者」へ変更された場合でも、

  • 就労範囲
  • 契約更新の実務
  • 社内配置や業務内容

が変わる可能性はあります。

人事・総務としては、

  • 現在の職務が継続可能か
  • 雇用形態を柔軟に調整できるか

事前に整理しておくことが、突発的な混乱を防ぎます。


まとめ|企業に求められるのは「過剰反応」ではなく「設計」

  • 取消事由に該当しても、原則は直ちに取消し・出国ではない
  • 多くの場合は「永住者以外」への変更、特に「定住者」が想定されている
  • ただし、支払意思の欠如や犯罪傾向などは例外になり得る
  • 企業側は「期限管理」だけでなく、
    生活・納付・届出を支える人事運用設計が重要

永住者制度の見直しは、
外国人雇用をやめる理由ではなく、
雇用を安定させるために管理を一段アップデートする合図と捉えるのが、実務的です。

行政書士阿部総合事務所


※本記事は一般的な制度整理を目的としたものであり、個別事案の結論を示すものではありません。実際の対応は、在留状況・経緯・資料を踏まえた個別判断が必要です。

行政書士阿部隆昭

行政書士行政書士阿部隆昭
創業支援と資金調達に強い東京都北区赤羽の行政書士阿部隆昭。
事業計画書作成支援、創業融資申請サポート、補助金助成金申請、契約書作成、ビザ申請など、中小企業支援業務をメインに業務を行なっています。
業務経験20年の知見をフル活用し、クライアント様の事業運営をサポートします。