自治体や商工会議所、商工会などの公的機関主催のセミナーに数多く登壇させて頂いています。
来月に予定されているテーマは、総務系のお仕事について。
総務のお仕事について行政書士がお喋りできるのか?と思われる向きもあるかもしれませんが、特殊な経歴とスキルによって行政書士という資格がどうあろうが当職はみなさんの前でお話しが出来るわけです。
印章管理もぜひ取り上げたいテーマ。
印章管理はどこにも規制がないので実務界の要請を知っていないと平均値を掴むのが難しい世界でもあります。
例えば、割印。
割印、契印の区別はこの際置いておくとして、作成した二通の文書が同じものですよという意味で押す印鑑のこと。
同じ時期に作られた文書が二通存在しますよ
という意味で文書と文書を重ねて割るように押す印鑑のことを「割印」といいます。
ビジネスマンやアパート・マンションの契約をしたことがある方など、一度は見かけたことがある方も多いでしょう。
この割印ですが実はこんなことを言われることがあります。
契約書の署名欄に押す印鑑と割印は別のものでもよい。
別のものでも良いかどうかと聞かれれば、それは良い、というのが答えにはなります。
なにせ、規定がない世界なので。
ただ、実務の流れがそれでいいかどうかは別論ですよ。
私が育った業界は、書類を扱う仕事としては最高度に厳格な場所。
契約書、覚書、念書など、書面のタイトルに関わらず契約書の割印は、契約書の署名欄に押した印鑑と同じ印で押すようにご案内をしていました。
もちろん、署名欄に押した印鑑と必ずしも同じ必要はないというのはそうなのですが、割印だけ違う違和感は避けられない。
契約書全体を眺めたときに、オヤっと思わせないように、というのが割印専用印鑑で押さない理由。
契約書署名欄に押した人間が二通以上の文書の存在を認識していることの現れ、ということも考えられますね。
ちなみにですが、縦長の割印専用の印鑑も見たことありますか?
あるんですよね。
契約書の割印は、契約書署名欄に押した印鑑と同じ必要はない。
実務界の要請としては、契約書署名欄に押した印鑑と同じ印で対応する例が多い。
以上が結論です。
解決支援コンサルタント野獣系行政書士阿部隆昭