ファイナンシャルプランニング業務をしていて聞かれる質問の中でかなり上位をしめているのがこれです。
住宅ローンは結局、固定金利を選んだほうがいいのか?、変動金利でもいいのか?
住宅は結局、持ち家のほうがいいのか?、賃貸でいいのか?
こういった質問をされる方も、二通りありまして。
・どちらがいいか十分に調べあげて、自分なりに回答が出ている方。
・とにかく自分ではわからないので教えて欲しい方。
この二択式の選択問題は昔っから話題になっていて、インターネット上でもよく記事になっていて、そして、これからもずっと続く永遠のテーマなんだと思います。
とはいえ、いつの時代もホントの答えは決まっています。
人によって違う。状況によって違う。
この二種類の二択問題に共通しているのはお金です。
ようするに、自分にとって得になるのはどっちなのか?
なるべくなら損はしたくない。
まあ、当然ですよね、誰でもそうです。
住宅ローンにしてみても、ローン金利、各種手数料などを比較するとデータ上はA銀行がB銀行に比べて有利といったことはすぐにわかります。
計算上ブレなく確定できるものはあります。
ですが、ここから先は不確定な要素が入ってきます。
その上で、今手数料が安いから変動金利を選ぶとか、近い将来金利が上がるかもしれないから今は損かもしれないけど固定を選んでおくとか。
結論から言えば、金利上昇するのかしないのか、するとすればいつなのか?
これって誰にも分かりません。
こうなりそうだ!という傾向はアナリストの意見を参考にすれば分かるかもしれませんが、それとて不確定には違いありません。
確定的なものがあれば、誰もが最適解を選ぶことが出来てしまいます。
分からないもの、想像が出来ないもの、つまり金利がどうなるか?ですよね。
それについて考えてみても結局は分からない。
それは実は専門家でも同じです。
住宅ローンでいえば、もっと細かく検討するとライフプランニングまでみる必要があります。
家計収支の中でローンの返済にまわせる割合。
大黒柱が定年退職すれば家計の状況は一変します。
もしも、途中でリストラにあったりしたらそれこそもう大変な事態になります。
つまり、住宅ローンは固定がいいの?、変動がいいのか?ということは。
計算によって確定できるもの。
不確定なもの。
これらを合わせて検討することなのです。
ですが、私たちは一つの問題をいつもごっちゃにして考えてしまい結論が出せずに、結果放り出してしまうことが多い。
”複雑すぎてもう分からない!”となっている時には、いくつかの要素に分解してみることが大切。
そう!、絡まりあった糸をほぐすときって、一気に引っ張ると余計に固く結ばれてしまったりしますよね。
でも、絡まっているところを丁寧にほぐしていけば、結果、全体がほぐれ、固まりが一本の糸になる。
二択問題のもう一つ。
住宅は持ち家がいいのか?、賃貸がいいのか?
考え方は住宅ローンと同じです。
購入したい物件、賃借したい物件、これらが特定できれば比較は出来ます。
しかし、住宅ローンと違って、住宅を決める場面では、個人の属性という要素が加わってきますので問題が一挙に複雑化します。
確かに、ここの銀行が好きだからとか、信金のあの担当者が良くしてくれるからといった理由で住宅ローンを選ぶケースは稀でしょう。
しかし、住宅を選ぶ場合には、その「稀」が頻繁に起こる。
お金の計算上、まったくもって不利なのに、もう二度と手に入らない好条件の物件が目の前に表れたとしたら、今まで検討した結果なんて簡単に吹き飛んでしまいます。
つまり、持ち家がいいか?、賃貸がいいか?といった話しはそもそも一般論の域を出ない話しなのです。
一般的な結論を個人の問題に落としこむことは出来ない。
もちろん、持っているだけで税金がかかるから持ち家は不利、馴染んだ地域なのに二年で出て行けと言われるかもしれないから賃貸は不利とか、一般に言われていることはあります。
しかし、もうそれは言い尽くされていて、その先を決める要素は唯一、『自分に当てはめるとどうなのか?』といったこと。
もっというと、住宅選びの二択問題は、
結論としては、私どうしたらいいでしょうか?
と言ってると同じこと。
そうなると、究極的には答えはこうなるしかありません。
決めるのはあなたです!
あなたがいいと思ったほうにすればいいのです。
そう、この答えだけみれば、占ってもらって「はい!5000円!」って占い師に言われる直前に言われることと同じ。