高齢になると、認知症などによって判断能力が衰えてくることがあります。
判断能力が衰えてくると、お金の管理が出来なくなり、高齢者を狙った詐欺に遭う可能性も高くなります。
そこで、利用を検討したいのが成年後見制度です。
各自治体の無料講座などでも盛んに成年後見に関連する勉強会を開催していますので、「成年後見」という名前だけでも知っている方も多いでしょう。
成年後見制度には、実は二種類あります。
「法定後見制度」と「任意後見制度」
詳しい解説は別の記事に譲ると致しまして、今回はその法定後見制度について、ある高齢者から聴いた話しを書いてみましょう。
法定後見制度は裁判所の手続きを利用するから怖い。
そう思っている高齢者がいらっしゃいました。
私も後見手続きに関わって長いですが、”裁判所が怖い”というご意見を聴いたのは初めてだったので詳しく内容をお伺いしました。
成年後見制度は家庭裁判所の管轄ですが、どうやらテレビドラマ等で登場する刑事裁判、法廷闘争の場面を想像してらしたようでした。
確かにテレビドラマでは苛烈な論争が繰り広げられていますから、まさか高齢になってそれに巻き込まれると思うと尻込みするお気持ちもわかります。
まったくの誤解でしたので、家庭裁判所に一度出向いて調査官と面談をするだけと言って納得して頂きました。
「終活」が必要な年齢であるにもかかわらず、それをしないのは私たち若い世代が想像もしない事が制約になっているのかもしれません。
私自身も終活セミナーを開催し、また、他の事業者のセミナーに参加することも多いです。そこで目にするのは若い参加者が多いという事実。ご自身の終活ではなく、親世代に終活をしてもらおうと考えている方が勉強にいらしているのですね。
高齢になると、自発的にモノゴトを動かそうという気力が極端に低下することがあります。
そのようなときこそ、お身内の若い世代がしっかりとサポートして差し上げるべきですね。
終活にはエンディングノートを書いたり、遺言書の準備をしたり、成年後見制度の検討をしたりと様々な方法があります。
高齢者にとって何が大切なのか?、終活手続きを進めたくない制約は何なのか?
そういったことを高齢者やお身内の方々と一緒に考えながら、これからも最善の方法をご提案して参ります。
行政書士阿部総合事務所 行政書士阿部隆昭