兄弟間で相続関連の問題を生じる要素がいくつもあり、お父さんが兄たちの主導のもとで書いている遺言書の中身が相当気になったのでしょう。
残念ながらお父さんが書いた遺言書の中身を事前に知る方法はありません。
というのも、遺言書は、お父さんに残された最後の最後の意思表示。
大切にしなれければなりませんし、その最後の意思表示は誰にも邪魔されないように配慮した法律のつくりにもなっています。
もしかしたら、”こういった可能性はありませんか?”と私はお答えしました。
お兄さんたちに言われて遺言書を作ったとしても、お兄さんたちは公正証書遺言の証人になることは出来ません。なので、直接遺言書の内容にまで指示を加えることは出来ませんし、遺言書の完成品をお兄さんに渡す必要もありません。もしかしたら、お父さんは貴方のことを想って、お兄さんたちの意向を無視した遺言書を実は作っているかもしれませんよ。
私たちは、遺言書がとても大切なものだと知っています。
今までに何度も公正証書遺言の証人をやってきましたが、コンサルタント主導で作成した遺言書の内容を公証人の目の前でひっくり返す事例を何度か見てきました。
公正証書遺言を作るときには、公証人と証人二人、そして遺言をする方だけの空間が保たれます。
遺言者の相続人などの利害関係人は、遺言書の証人となることは出来ません。
遺言者本人のこと、遺言者のご家族の将来のことを考えた遺言書を作るにはどうしても専門家の意見が必要になることもあるでしょう。遺言書は想いを連ねてもダメです。
遺言書は技術的な法律文書ですので、遺言者の想いを実現する内容の遺言を作るにはノウハウが必要です。
お父さんが書いた遺言書の中身を心配するぐらいなら、お父さんの想いを実現するような方法を提案してみたいですね。遺言書の他に、生前にしておくべきことはたくさんあります。
相続問題解決コンサルタント 行政書士阿部隆昭