こんにちは。
遺言書を書く人が増えている、そんなニュースって結構見かけることがあります。
終末期に絡むことですし、なかなか他の人に言うようなことでもないので実体がつかみにくいのが本当のところ。
””この前さ、公証人ってところで遺言書作ってさ~””、なんて会話はあんまり聞きませんよね。
日本公証人連合会(東京)によると、1990年の公正証書遺言は全国で4万2870件だったが、昨年は9万6020件に倍増。大津公証役場(大津市)のまとめでは、県内でも2005年の452件から昨年は652件に増えた。地裁によると、県内の家裁に寄せられた自筆遺言検認数は05年の86件から昨年は122件に伸びている。
「倍増」とあると、最近になって遺言書を書く人がものすごく増えている印象ですが、
1990年と2013年とのデータの比較ですから23年間かかっています。
年間で2300件ほどの増加。
滋賀県内公正証書遺言2005年 452件2013年 652件年間25件増加
滋賀県内遺言書検認2005年 86件2013年 122件年間4.5件増加
それほど、増えていないというが実感。
遺言書の検認件数が増えているといっても、検認は遺言書を書いていた人が亡くなったときに初めて登場する手続きです。
検認件数が増えている=遺言書を自分で書く人が増えている。
とは、なりにくいのではないかな。
遺言書って、やっぱり書きづらいですよ。
自分だったらどうですか?
遺言書として残しておいたほうがいい状況があったとして。
やっぱり、作りづらい、相談しづらい、問題から避けたい、といった感情が先に立ってしまうのが現実には多いのではないでしょうか?
相続に関して争いが起こりそう、といった状況が身に降り掛かってこない限り、遺言書は作らないでしょう。
『自分で作る遺言書キット』などというものが売れているらしいのは、そのあたりが関係していると思います。
相談しづらいから自分で作る。
分かるような気がします。
ただ、遺言書って法律文書です。
民法に定められた条件をクリアしない限り、遺言書に書いた効果は発生しないのが原則。
だからこそ、自分で作る遺言書キットには法律家の先生方が監修をしています。
疑問に思いませんか?
いくら書籍の監修をしているのが弁護士であっても、現実に遺言書を書いて封筒に入れるのは一般の方です。
遺言書が効力を持つのは自分が死んだときなんですね。
ということは、自分が書いた遺言書が本当に間違いのない記載になっていて、効力を持って相続人の皆さんの手元に渡っているかどうかを確認することが出来ないのです。
これって、ものすごく不安じゃありませんか?
現世で残す最期のメッセージがムダになってしまうかもしれないんです。
自分だったら、怖すぎるなあ。
ちゃんと、然るべきところに相談して作る。
何でも自分でやってみようっていう姿勢は大切だと思いますけど、それでもケースバイケース。
もしも、遺言書を作ろうと思ったら専門機関にちゃんと相談して作ったほうがいいですよ。
もしかしたら遺言書以外の方法で目的とすることが実現出来てしまうかもしれませんし。