先日の講座でも感じたことですが、遺言書を作る時の具体的な手順について多くの方が疑問に思っている様子です。
遺言書作成の全体像がわかれば、自分がどこの立ち位置にいるのかが分かりやすいと思いますね。
遺言書作成の全体像というと大きな話になってしまいますので、具体的な手順から先ずは明らかにしていこうと思います。
遺言書を作ろうと思う
これが最初のステップ。
当たり前じゃないかと思いますよね。
遺言書を作る場面では、必ずしも自分の意思ではなく遺言書を作る人もいるのです。
詳しくはいいませんが、まずは自分で遺言書を作ってみようと思うことから始まります。
自分で作るか?、誰かに相談するか?
自分で作ろうと思う方は、書店で『遺言書の作り方』といったような書籍を買うか、インターネットで書き方を調べるかして作ることになるでしょう。
誰かに相談しようと思った方は、行政書士などの専門職か、公証役場、もしくはコンサルタントといった関連職に相談するケースが多いでしょうね。
ここからは枝分かれになります。
自分で作ろうと思った方
法律文書としての遺言書を作るには、法律で定められた方式を守る必要があります。
書き方を間違ってしまうと、「無効」な遺言書になる可能性もあります。
誰かに相談しようと思った方
専門職などに依頼する場合には、相談料や書類作成料などの費用はかかりますが間違いのない遺言書を作成することが出来るでしょう。
ここで言う「間違いのない」とは、法律で定めた方式に沿った書き方になるから無効になるリスクが少ない、といったことだけではありません。
専門職に依頼することで、遺言をしようと思った方の希望を確認しながら遺言書の案文を作っていくので、遺言書を通して「伝えたいこと」や「したいこと」が実現するような遺言書を作ることができます。
自分ひとりだけで考えただけでは気づきにくい視点なども提供することが出来るでしょう。
誰だって、間違いのない遺言書を作りたいとは思っているはずです。
しかし、遺言書を作るだけで何十万というお金がかかるのも困る、といった方も実は多い。
専門職に依頼したときにかかる費用をどう考えるかによるのかと思います。
私たちが何かにお金をかけるときには、皆、何かを得るでしょう。
いつもより豪華な食事をすれば、
お金と引き換えに、美味しかったという満足感
(美味しいものを食べればしあわせ~ってなりますよね)
欲しかったハンドバッグを買ったときには、
お金と引き換えに、いつも側にお気に入りのバックがあるという充実感
(使わない時でもじっと眺めたりしますでしょ?、あれです。)
温泉旅行に行ったときには、
お金と引き換えに、忘れられない素敵な思い出、そして満足感も。
大切なお金は失ったけど、他の大切なモノが手に入った。
そうそう、そもそもお金は交換価値。
何かに交換してそれば満足ならばOKなんですね。
お金は失ってない。
交換しただけなんです。
遺言書を作る場面に話しを戻します。
遺言書を作る人が専門職にお金を払ったときに何を得るのか。
お金を失ってないとしたら、交換として何かが手に入ったはずです。
何が手に入ったのでしょうか?
おそらくそれは
無効になることのない遺言書が作られたという「安心感」
自分の最後の意思表示を遺言書として表すことができたという「充実感」や「達成感」
お金がもったいないから自分ひとりで遺言書を作る、これも一つの選択です。
お金を払って間違いのない遺言書を作る、これもまた一つの方法。
払ったお金はムダにはなっていません。