少し前、このような出来事がありました。
同業他社のwebサーブスの利用規約を丸パクリしてそのまま自社のネットショッピングサイトに掲載したが、パクリ元の会社名を削除するのを忘れているのを私が指摘し、大慌てで削除した。
それほど適当に作られることが多いwebサービスの利用規約。
考えてみれば、私たちがオンラインショッピングをする際に、「利用規約に同意するボタン」を押しはしますが、確認なんてしませんよね。
ある調査によると、
webサービスを利用する際に利用規約を読んでいる方は15%
15%の方々も実際のところはチラ見するだけで、読んで理解しているかというと多分に怪しいと言わざるを得ません。
なぜなら、
webサービスの利用規約のほとんどは、読み手に理解してもらおうと思って作られてはいないから。
もちろん読み手の存在そのものは意識しているのですが、いつ読まれるのか?という部分が大事なのです。
大抵はですね、webサービスを利用していてトラブルが起きたときに初めて利用規約を読むわけです。
利用者の気持ちとしては、
なんだこのオンラインショッピング、ひどい扱いだな。そういえば、利用規約っていうのに買うときに同意したけど、あれにはなんて書いてあるんだっけ、まったく
と、攻撃的な感情100%の状態です。もう戦いですよ、なんとか返品、あわよくば返金してもらわないと腹の虫が収まらんと。
攻撃されたら防御する
当たり前のことですが、ことwebサービスに限っては、攻撃される前から、あらゆる攻撃方法を予知して防御されている!
つまーり、防御する企業側が一歩リードした段階から戦いが始まるのです。
webサービスの利用規約は、ネットショッピングなどのwebサービス運営者側の企業防衛のために作られています。
なので、戦いが発生する前、クレームが発生する前にはそもそも読まれなくったっていいわけです。だから誰も読むことがありません。小さい字で、改行もせずに細かく書かれていたって誰も文句は言いません。
ですが、攻撃態勢に入った利用者としたら、穴はないかと思ってモノスゴイ細かく読むわけです。読みにくいとか文字が小さすぎるとかそんなこと気になりません。何故かと言うと、攻撃対象は、利用規約の分かりにくさなんてことではなく、利用規約を定めている企業そのものだからです。
webサービスの利用規約をなるべく安く作りたい
そう思っているwebサービス運営者の方がいらしたら、自社で研究して作ってみるのも一つの方法です。もちろん作る際には、しっかりと穴がないように「防衛戦」を張ることが大切。
ですが、あまりにも防衛ラインを固くし過ぎても、消費者契約法によって防御態勢そのものが無効とされる場合もあるので注意が必要です。
今ご依頼を頂いているwebサービスの利用規約作成案件もその辺りを勘案しつつ、かつ、クライアント独自のサービスの影響も考慮するので大変に骨の折れる作業です。
攻撃なんてされないし、その時はそのとき、後は野となれ山となれ精神
で突っ走るのも一つの方法です。これなら安く、もしかしたら無料でwebサービスの利用規約が作れます。
専門職としてはあまりオススメ出来ませんが。
安く作りたいと思ったらインターネットの雛形を丸パクリするしか方法がないと思われますが、そもそも利用規約が企業防衛のためにある以上、戦いになったら好きなように攻撃され大損害を負うリスクを取れるのであればそれでも良いのかなという気はします。
”むずかしいを楽しく”解決支援コンサルタント 行政書士阿部隆昭